お米の“萌え化”が進行中

マンガ

更新日:2012/10/22

 最近ではパンの消費量がお米の消費量を超え、お米を食べる人や機会が少なくなっているようだ。このままでは日本の主食がパンになってしまうかも!? そんな日本の危機を救うべく、今、お米の“萌え化”が進行しているらしい。

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 秋田JAうご産「あきたこまち」の米袋に、人気ゲームのキャラクターデザインなどで知られる西又葵が手がけた美少女イラストを起用し大ヒットしたのを皮切りに、さまざまな“萌え米”が生まれている。福岡産の「越野七米神こめかみっ!」は7人の美少女キャラをパッケージにするだけでなく、お米の中には7人の神様がいるという言い伝えをもとにストーリーや設定も作り込む力の入れよう。毎月さまざまな産地のお米に人気絵師が美少女イラストを描き下ろすという「おいしさ再発見! 食べよう日本のお米」なるプロジェクトもあった。さらに、10月22日には大人気ラノベ『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』(鈴木大輔:著、閏月戈:イラスト/メディアファクトリー)があきたこまちとコラボした「あきここまち」の発売も予定されるなど、お米の萌え化は進化の一途をたどっている。

 そして、実はお米に関連したマンガもたくさん出版されている。

 まずは、おにぎり屋さんの看板娘・稲田米子(通称:よねちゃん)が主人公の『ギュっとして! よねちゃん』(しめ子/芳文社)。おにぎりが大好きなよねちゃんは毎朝自転車でおにぎりを売り歩き、クリスマスやイベントごとにPVを作ってはお店の宣伝をしている。お正月の三が日はお店が休みなので、おにぎりが作れないと泣くほどおにぎりラブなのだ。

 また『炊飯器少女コメコ』(うず/芳文社)では、1人暮らしの息子・たけるを心配した母が自ら作った少女型の炊飯器・コメコが登場する。1合炊きでいつもお粥状のごはんしか炊けないのに、いつでもどこでもごはんを炊いてしまうコメコ。呆れたたけるが土鍋でごはんを炊こうとすると土鍋ごと壊してしまうし、レトルトのごはんもまっぷたつに割ってしまうが、すべてはたけるに自分で炊いた美味しいごはんを食べてもらうため。そんなコメコは、仲良くならないと美味しいごはんが炊けないという機能(?)がついている。たけるも美味しいご飯を食べるためにコメコの頭を撫でたり、リゾットにして工夫してみたりするのだが、なんだかゲーム感覚みたいで楽しそう。仲良くなって連れて歩けばいつでも炊きたてのご飯が食べられるなんてとっても便利だし、こんな炊飯器が発売されたら毎日お米を食べるようになるかも。

 さらにはお米を主人公にしたマンガまである。『田中さんちの白米ちゃん』(池尻エリクソン/竹書房)は、秋田出身の白米ちゃんが主人公。独身サラリーマンの田中さんに美味しく食べてもらうため、親友のみそ汁ちゃんと一緒に毎日頑張っているのだ。ちょっぴり秋田訛りでしゃべる白米ちゃんは、とってもけなげ。田中さんのほっぺたにくっついて会社に行ったり、風邪をひいた田中さんのためにお粥になろうとしたりするのだ。「あなたの“おいしい”が聞きたくて わたすたちはがんばっています 煮たり焼いたり蒸されたり ごはんになるのも大変だども 明日もおいしくしてください わたすたちが“ごちそうさま”を聞かないように」なんていじらしいことを言われたら、誰だって一粒残らず完食します。

 こんなにかわいいお米や炊飯器、おにぎり屋さんが登場するマンガを読めば、もっとお米を好きになるはず! もしかしたら、お米の未来はオタク業界に託されているのかもしれない。