『小悪魔ageha』もびっくり! 『姫ギャルパラダイス』の突きぬけぶり

マンガ

更新日:2012/11/12

 今、ネットを震撼させている少女マンガがある。先日、『ちゃお』(小学館)での連載が終了し、最終巻の7巻が11月30日に発売される『姫ギャルパラダイス』(和央 明/小学館)だ。かつてアニメ化やゲーム化もされたほど少女たちに大人気の作品なのだが、これが驚愕の内容なのである。

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 『姫ギャルパラダイス』は、地味で目立たない女の子だった主人公・立川姫子が、美白重視のお姫様スタイルの“姫ギャル”転校生・美神とちおとめに教えを受けて、姫ギャルデビューする……というストーリー。この、とちおとめがいわゆる“王子様”的な存在で、彼は女装もする男の子、いわゆる“男の娘”なのだ。

 ストーリーやキャラもなかなかにアゲアゲだが、ネットが震撼したのはそんなところではない。作中のギャルたちの美の追究の仕方が、突き抜けすぎている点だ。

 たとえば、姫子ととちおとめが寿司屋へアルバイトに行く話では、ライバルの黒ギャル・高岡真澄が登場するのだが、なんと彼女、ウニを見つけるやいなや「ボリュームアップ!! ウニつけま!!」と称してウニのトゲトゲしいカラをつけまつ毛にしてしまうのだ。また別の回では、お弁当のおかずを仕切る“バラン”をつけまつ毛として使ったりもする。痛くないのか? まぶたに違和感はないのか? そんな疑問と同時に、ギャルのまつ毛に対する執着心の強さにも震撼する。

 また、お気に入りのワンピースをめぐって姫子&とちおとめVS真澄という形でパラパラ対決をすることになった時には、姫子はあえて黒ギャルになりきるため肌に味噌を塗りつけるのだ。ついでにとちおとめにも味噌を塗り、「赤味噌ギャル姫子&こうじ味噌ギャルとちおとめ」が誕生。「味噌を塗ったくらいで黒くはならないだろう!」と思ってはいけない。作中では「鬼セクシー!」と大絶賛されるのだ。ほかにも、新春の書初め用の墨汁と筆で「極太・デカ目アイライン」をひいたり、ラーメンで使用されるわかめを「海のふわふわレース」と名づけシュシュとして再利用したりと、もうやりたい放題。

 さらに、ギャルにとっては必須の“盛り”という、髪のボリュームを出すための工夫っぷりもまたすごい。「カニ盛りマーメイド」と称してカニ1匹をまるまるリボンのように髪に止めた斬新なスタイルを繰り出したかと思えば、「デカ船マリン盛り」と船の模型(?)を頭にオン。さらに究極ともいえるのが「超ド級メガ盛り ちゃお・キラキラトルネード」で、雑誌の『ちゃお』を開けて大きなリボンのようにして頭に盛るのだ。ちなみに、かんざしには「おたより柱」(マンガ雑誌のページ端に掲載される作者からのメッセージ欄)が使用されているのだが、そこには「ちゃお開けばデカリボンになるヨ! 盛ってみてね」という伝言が。かつて斬新な“盛り”で世間を驚愕させた『小悪魔ageha』(インフォレスト)もたじたじである。

 「小さい子がマネしたらどうするんだ!」とはギャグマンガに対してのお約束の抗議だが、『姫ギャルパラダイス』はそんな言葉も出ないほどの突き抜け度。でも、ウニをまつ毛にするのは危ないから、くれぐれも気を付けてね!