外国人執事喫茶からカプコンの裏側まで~オタク版「プロジェクトX」に注目!

コミックエッセイ

更新日:2012/11/7

 執事喫茶やアニメイトカフェ、ナンジャタウン、新感覚のライブハウスを謳っているニコファーレなどは、オタクにとっては聖地。そんなオタク心をくすぐる世界の裏側を覗いてみたいと思うのは、“オタクの性(さが)”というもの。

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 9月22日に発売された『めぇ田のんの負けるが勝ち』(めぇ田のん/アスキー・メディアワークス)では、作者のめぇ田のんと担当編集者が、体当たりでいろんな場所へ体験取材に行った様子が描かれているのだが、取り上げられている場所にはオタク垂涎の聖地がたくさん!

 たとえば、執事喫茶は知っている人も多いだろうが、外国人執事喫茶なるものがどういったものか知らない人も多いのでは? そこで取材したのが、渋谷にある外国人執事喫茶「バトラーズカフェ」。接客をしてくれる執事は全員外国人なので、店内での会話も当然すべて英語。バースデープランなど、さまざまなプランでお客さんをもてなしてくれるのだが、なかでもオススメなのが「シンデレラタイム」と呼ばれるプランだそう。これを頼むと、執事たちがシンデレラの寸劇を始め、ガラスの靴型の瓶に入ったオリジナルカクテルを持ってきてくれる。しかも、ティアラまで被せてくれ、なんと最後にはお姫様抱っこで記念撮影までしてくれるのだ。お姫様気分を味わうにはピッタリなお店のようだ。

また、ニコファーレでは360度スクリーンに囲まれた空間で、ニコニコで人気の歌い手やキャラクターのライブが楽しめる。内装も次世代をイメージしており、なぜか男子トイレが向かい合っていたりするのもチェックポイントだ。そして、作者が取材したときは、「夏だ! お盆だ! ニコファーレだ! 360°ホラー映画祭り3本立て」が開催されていたらしく、360度から迫り来る音と映像で、本当に雨が降っているような演出が。体験ルポからは、ニコファーレ独自の魅力がよく伝わってくる。

 そして、コスプレ衣装やグッズの専門店「ACOS」では、実際に2人がコスプレに挑戦。ACOSの店長曰く「コスの写真は光とカメラワークで決まります!!」とのことなので、男装の場合は厚底ブーツを履いたり、下の方からアオリで撮ると足が長く見えていいといったところまでアドバイスしてくれるようだ。

 ナンジャタウンやアニメイトカフェでは、『ペルソナ4』や『デュラララ!!』(成田良悟:著、ヤスダスズヒト:イラスト/アスキー・メディアワークス) などの作品とのコラボメニューを試食し、どのようにそのメニューが作られるのかといったことまで教えてもらっている。お客さんの様子や店内についても紹介されているので、気になっていたけどなかなか行く勇気が出なかった人にとっては、雰囲気を知るのにはちょうどいいかもしれない。

 他にもカプコンの東京支社で『戦国BASARA3 宴』のゲームをプレイしてみたり、マンガに文字を入れる写植屋にお邪魔して原稿のできあがる工程を見学するなど、本作はさながら「オタク&腐女子版プロジェクトX」。普段なら入れない場所、見ることのできないものを誌面でぜひ体験してみてほしい。