【連載】産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと #02 – つわりがムチャクチャ辛すぎる!

公開日:2016/6/30

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 妊娠初期に待ち受ける体の変化の代表格といえば、妊娠悪阻(つわり)です。テレビドラマでお馴染みの女優さんが「ウッ」となり、顔色を変えて洗面所へ走っていく……、いわゆるアレです。主な症状は吐き気で、食事をとるのもままならないケースも多々あります。つわりの原因は、胎盤の一部である絨毛から作られるHCGというホルモンで、このホルモンが吐き気を誘発してしまうのです。

 

 HCGの値のピークは、妊娠8週〜12週で、この時期が一番つわりがツラ~イ時期といえます。HCGは16週くらいから、かなり低い値に落ち着くので、それまで毎日トイレでゲロゲロ吐いていた人でも、徐々に元気になります。

 つわりによって全く食事をとれない状況が続くと、体内の栄養素であるブドウ糖が足りなくなってしまい、肝臓内で脂肪酸からエネルギーを作るようになります。しかし、この方法でエネルギーを作り出す結果、ケトン体というゴミが作られるのですが、実はこのケトン体がさらに吐き気を誘発させるという悪循環を作り出してしまうのです。そのため、体内にブドウ糖を切らさないように心がけることが重要です。飴玉・ジュース・フルーツ・炭水化物(ご飯やパン)などなど、人によってつわりの症状はさまざまで、口にできるものは異なりますので、食べられるものを食べられるだけ食べるようにしましょう。

 

 また、つわり中に注意したいポイントは、

1)ビタミンが不足しやすい 
2)脱水により、血栓が作られやすい

 という2点。つわりでは糖分とともに、ビタミンも不足しがちです。食事で摂取できればよいですが、無理そうな時はサプリメントを併用して、ビタミンを切らさないようにしましょう。さらに、脱水により血液がドロドロしてしまい血の塊=血栓ができやすくなってしまいます。これらの血栓が、肺の血管などに詰まると命に関わる状況になりかねませんので、水分補給をきちんとするようにしましょう。

 つわり中に乱れた食生活になるのはしょうがないのですが、つわりが軽快した後も、食生活がそのままになってしまう人が結構います。つわりが終わったら、きちんと栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。

 

<きゅー先生の伝えたいことまとめ>
つわりは妊娠12週くらいから落ち着くのでそれまで辛抱を!
つわりが終わったら栄養バランスを意識した食生活に

 

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■書籍情報
産婦人科医きゅー先生の本当に伝えたいこと
きゅー/KADOKAWA

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■きゅー
都内の某大学病院で働く産婦人科医。医学博士。アメブロ公認トップブロガー。「専門的な知識をとにかくわかりやすく!」をコンセプトに開設したブログが評判を呼び、現在23000人を超える読者に向け、産婦人科の知識を伝えている。