やさしい気持ちになれる、結婚体験記
公開日:2012/12/4
ヨメさんは萌え漫画家
ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android | 発売元 : マッグガーデン |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:こげどんぼ* | 価格:600円 |
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エッセイ漫画です。似たような作品をひとつ挙げるならば、伊藤理佐の『やっちまったよ一戸建て!!』でしょうか。どちらも、女流作家が人生の大きなイベントを体験し、その過程を漫画にするという意味では、同じような印象を受けます。
ただ、これも時代なのかなと思うことがいろいろと。ひとつはやっぱり題材です。
『やっちまったよ一戸建て!!』が“ひとり用一戸建て”を建てる話だったのに対して、こちらは“結婚”です。
もうひとつが、伊藤理沙の場合は、家を建てるということに対してまったく知識がない著者が、不動産会社や建築士、それに大工と渡り合うところが見せ場なのに対して、本作はちょうど東日本大震災があったため、本人たちのドタバタが中心という感じでした。お相手が自衛官ということもあり、そのスケジュールの緊迫感は、ほのぼのとした絵柄とは裏腹に、この結婚式大丈夫!? とちゃんと心配させてくれます。
もっとハウツーよりの話にしてもよかったのでしょうけれど、ブライダル関係の書籍はうんざりするほど出ているので、そこに価値はないと判断したのかな。それに、漫画家が取材を通して知り合った自衛官と結婚するというパターンは、どう考えても一般化できるものではないだろうしね。
結納なんて1コマで片付けられているし、式の当日だって天気の話が中心で個々がどう動いていたかなんてのは描かれていません。でも、めでたくゴールインしたふたりを描いたページでは、なんだかこちらまで優しい気持ちになったよ。エッセイ漫画でありながら、大震災をはじめ、ふたりに立ちはだかる壁が幾重にもセットされていたからかな。その辺は物語を紡ぐ人ならでは、ですね。
何事も、カミングアウトのタイミングは難しい
デートは自衛隊のイベントが目白押し!
“いつカミングアウトするか”という障壁は、後半まで続く
アルコールが入るたびにボロが出るのも、読者目線ではドキドキもの
(C)こげどんぼ*/マッグガーデン