世界は再び「エウレカ」を中心に動きだすのか?

公開日:2012/12/13

エウレカセブンAO (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:加藤雄一原作 価格:560円

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『交響詩篇エウレカセブン』の続編である『エウレカセブンAO』。主人公は前作の前作の「レントン」とは違い、今回はその子供「アオ」が主人公として活躍する設定です。世代を超えて続くSFファンタジーはそれほど目新しくはないかもしれないですが、前作の地盤がある分、舞台のより深いところへ潜り込んでいくことが期待できますね。

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アオを取り巻く登場人物は育ての親である島の老医師フカイ・トシオと幼馴染の少女アラタ・ナル。ナルにはある事件以降、予知夢を見るという特殊能力が生まれ、物語の序盤で突然島に現れた「シークレット」と呼ばれる未知の敵の襲来を予知します。おそらくは今後、彼女のこの能力が物語の鍵を握ることになりそうです。ちょっと不思議な印象が、なんとなく前作のエウレカとかぶるような気がしますがその正体は…。

南の島を襲撃した巨大なモンスター「シークレット」との対峙が物語を一気に動かすことになるのですが、その襲撃こそがアオにまつわる因縁を少しずつ浮き彫りにするきっかけとなっていきます。FPと呼ばれるロボットと幼い頃に母エウレカから渡されたブレスレットを手にしたとき、アオが目にしたのは母エウレカからの「おかえり」というメッセージでした。母と子を繋ぐブレスレットが再び『交響詩篇エウレカセブン』の世界へのゲートを開きます。前作をしっかり見ていた僕としては、なんとも言えない瞬間でした!

現実の日本とSFファンタジーをうまく融合させた独自の世界観もエウレカセブンの魅力のひとつでしょう。現実と非現実の絶妙なバランスが読者に親近感を持たせ、感情移入しやすいように工夫されているように思います。

一度は断たれた『エウレカセブン』の経絡が少しずつ繋がっていく、そんなワクワク感を期待できる待望の続編です。魅力的なキャラクターデザインなので、今作から気になり始めた方も大勢いるでしょう。そんな方はぜひ、『交響詩篇エウレカセブン』も手に取ってみてください。


わずかに残る母エウレカの記憶

守りたい、その純粋な思いが少年を突き動かす

閉鎖的な島の考えに反骨するナル

敵か味方か、アオを呼ぶ組織の正体とは?
(C)Yuichi KATOH 2012
(C)2012 BONES/Project EUREKA AO・MBS