日本人の長所と心の原点としての天皇を考える、日本を知る新たな視点

小説・エッセイ

公開日:2012/12/17

日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : PHP研究所
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:竹田恒泰 価格:650円

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最近、日本がちょっと“右”よりだ。景気低迷が続くと、ナショナリズムが強くなるとはよく言われるが、まさにそんな感じ。個人的には、日本人として愛国心を持つのは大事だし、自国を知り、大事にするのはいいことだと思っているが、そういう姿勢を持つとすぐに「右傾化」といわれると、いきなり好戦的な感じになるようで、かなり困惑する。もちろん先の戦争の罪は重く、自虐的な国民性が生まれるのは自然な流れだろうし、戦争を連想させる多くのことがタブーとして封印されてしまうのも仕方のないことだ。

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だが、それで思考停止してしまってはいけないし、本来は客観的かつ冷静に「日本」を捉え直し、もう少しカジュアルな感覚で「日本が好き」と言えたらいいとは思う。その意味で、日本がいかに外国から好かれているのかを様々に分析するこの本は、わかりやすい視点で「日本を好きになる」上でのヒントを与えてくれる1冊だろう。

おもしろいのは、この本は日本人の長所を述べながら、その心の原点としての「天皇」の存在をつなげて考えている点。「天皇」を語ることそのものをタブー的に捉える向きもあるが、時代を超えて脈々と国を鎮める要として存在し続けて来たという事実そのものは、すごいことだ。現在も古来の祭礼を受け継ぎ、日々、日本のために祈る存在であり続けるわけだが、残念ながらその実体はあまり知られていない。それって、なんだかもったいないなーと思うわけで、この本が少し立体的に捉えるきっかけになるなら、単純によろこばしい(ちなみに著者の竹田氏は旧皇族で明治天皇の玄孫にあたる人物で、そういう著者だから書けた部分も多いと思う)。

なお、巻末にある北野武氏との対談は親しみやすい内容でグッド。生身で世界と対峙している人物の実感値はやはり参考になる。


はじまりは、著者手書きのメッセージから

目次より 1

目次より 2

目次より 3

章ごとに序文(赤字)がある

本文より