夢と挫折、そして再生。ゲーム業界を舞台にした極上の文系スポ魂マンガ！[2012年マンガ大賞2位]

みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。小学生の頃の夢は学校の先生になる事だった中國卓郎です。それがまさか確定申告の職業欄に声優と記入する事になるとは…本当に人生ってのは不思議なもんです。

まぁ自分の事はともかく「子供に人気の職業」と言えば、スポーツ選手や芸能人なんて所がいつの時代にも上位ですが、近年ではゲームデザイナー等のゲームに関する職業も人気があるみたいですね。ウンウン！ 分かる…分かるな～！ そりゃゲーム好きなら誰しも一度は「こんなゲームがあったらな～」なんつって妄想するもんだ！ と、そんな夢を抱きゲームクリエイターを目指すのが本書のヒロイン百田モモです。

物語は彼女が小さなゲーム会社に就職し、一見アウトロー風（実はただ汚いだけ）な天川太陽と出会う所から始まります。2人の「成長」と「復活」を主軸にしながら、同時に弱小会社であるスタジオG3の発展を描いているのですが…TVゲームへの興味だとか予備知識と言ったモノはほとんど要求されません。だからあらゆる人にオススメできる作品であります！

青春、成長、挫折、リベンジ、再生、そして極少量の恋愛。それらが燃える展開から派生するカタルシスでジックリ＆コトコト丁寧に煮込まれとります。ただ、ヒロインの入社から始まるためキャラクター（＝会社スタッフ）がドドっと登場するので序盤は多少、飲み込むまで時間がかかりました。しかし各キャラの会社における「持ち場」が分かってくるとさらにおもしろくなるのです。そしてその頃にはきっと、登場人物と言うよりG3と言う会社自体に感情移入してしまう事でしょう。例えるなら…『弱小チームにやってきた主人公がチームメイトに認められながら一丸となって全国大会出場を目指す。やがて気が付くと読者である自分はチーム全体を応援しながら夢中で読んでいたのだ。』なんつ～感じです。そう！ この作品は「文系スポ魂マンガ」であると言えましょう。熱いんデス！ そしておもしろいんデス！ クゥーッ！