アップルにもダメな時代があった! スティーブ・ジョブズが行った改革とは?

公開日:2013/2/3

僕がアップルで学んだこと ― 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:教養・人文・歴史 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:松井博 価格:822円

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イノベーションを興すためにどうしたらいいのか、どう組織を活性化したらいいのか、よく聞く日本企業の悩みです。本当に今の日本企業はリスクをとらない、そして挑戦しないので組織が活性化しない、失敗した経験がないので若い人材が成長しないという悪循環で、それはオーバーコンプライアンスが原因だという指摘もあります。実は、スティーブ・ジョブズがアップルを追い出されていた間、アップルもダメな会社でした。そして、彼は戻ってきて、実に見事な改革を成し遂げました。

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本書は、実際にアップルに16年間勤務していた著者が、スティーブ・ジョブズがアップルを追い出されていた間にどのような状況だったか、戻ってきたときに、アップルの組織や企業文化はどう変わったのかを、内側の視点から詳しく解説しています。

90年代のアップルは腐ったリンゴと言われ、ジョン・スカリーやマイケル・スピンドラーがCEOだったアップルというのは顧客よりも自分の都合を優先する社員が多く、はき違えた自由を許してしまって、ラクな方へ、ラクな方へといっていたそうです。トップのリーダーシップや社内コミュニケーションがなく、業績は落ちていきました。

戻ってきたスティーブ・ジョブズがやったこと、それは、プロジェクトの数を減らして重要なプロジェクトに資源や人材を集中させること、Think Different(異なった考え方をしよう)というキャンぺーン。それらの方針の社員への浸透でした。この変革について、著者は「あの(ダメな)会社がここまで変わることができるのなら、どの会社でも変わることができる」という感想を述べています。強さの秘密は組織も人事もデザインもすべて「シンプル志向」で「やらないことを決める」そして「会社の強みを知る」ということです。

リーダーとして、いかにスティーブ・ジョブズがすばらしかったかを再認識するとともに、日本企業が学ぶべき企業文化改革やイノベーションのヒントが本書にたくさん詰められています。


著者はアップルの日本、米国両方の品質管理部門で勤務されました

スティーブ・ジョブズのイノベーションの第1歩は、働く環境を変えることでした!

この本は、前半は組織から見た視点、後半は個人から働くことを見た視点で書かれています

経営者によって、これほどまでに組織文化は変わるものなのですね