あの歴史的人物もホモだった? 隠された異端史で知る歴史の新たな一面!
更新日:2013/2/21
ホモセクシャルの世界史
ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader | 発売元 : 文藝春秋 |
ジャンル:小説・エッセイ | 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy |
著者名:海野弘 | 価格:1,028円 |
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いまやゴールデンタイムのテレビには不可欠のオネエ系キャラのタレント。一方、コミケにあふれる美男同士の架空恋愛妄想に萌える腐女子…いつのまにか、私たちの日常では「ホモセクシャル」な存在がひどくカジュアルなものになっている。
もともと日本の社会は、歴史的にもホモセクシャルに寛容な側面をもっているといわれるけれど、どっこい世界史の視点にたつと、キリスト教的世界観の影響も強く、ホモセクシャルという存在そのものの「異端性」が強化され、そのあり方をめぐる社会の捉え方自体は実にさまざまに変遷してきたという。なかなか表の歴史に現われることのなかったその通史を、本書で駆け足ながら一気にひもとくと、その歴史の紆余曲折っぷりに驚かされる。どこか社会秩序を維持するための調整弁のように利用されたところがあり、悲劇の色が濃い。
だが、時代は変わった。そして、変わったからこそ、こうした本が編まれたのだと著者も言う。それにしても、ホモセクシャルとして名前のあがる人物に歴史上の有名人の多いこと多いこと。この現実を知った後だと、歴史を見る視点に紫色の新たなパースペクティブが生まれてしまう。この感覚、とてもおもしろい!
なお、本書は2008年に文庫が発売されているが、最近になって電子書籍化もされた。こういう電子書籍のあり方は本当に歓迎すべきことだ。またオリジナルの文庫も500ページ超クラスのため、分量の重圧を感じない点にも電子書籍の利点あり。今後、とにかく人名が多いので参照機能が充実したり、図版が充実したりすると、この手の本は電子書籍化でもっともっと楽しくなりそう。
ちなみに腐女子的耽美系萌え要素の直接表記はほぼゼロなので、念のため(客観的通史なので当たり前か)。ネタ元および知識の裏付けとしては、楽しめるかも…??
目次1
目次2 古代ギリシアやローマは同性愛の原点的な時代
目次3 現代のニューヨークまで網羅
プロローグより 本文レイアウトも同様の体裁