人間いろいろ、趣味もいろいろ。無趣味の著者が趣味に翻弄される!

小説・エッセイ

公開日:2013/3/17

趣味は何ですか?

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:高橋秀実 価格:669円

※最新の価格はストアでご確認ください。

手軽に読むことができるエッセイは、それこそ電子書籍と相性抜群の読み物。これもそんなお気楽な内容だと思って読んでみました。半分は狙い通り。無趣味の著者が、趣味を次々と体験していく内容。が、なかなかどうして意外に奥深く、「趣味は何ですか?」という軽い問いかけよりは、「趣味“とは”何ですか?」と苦悩混じりの問いかけのようにも感じる。

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私はこれまで“趣味”というものは、ただただ自分が楽しめればいいもので、それ以上でも以下でもないと思っていたのだけど、ここに登場する趣味人、あるいは「これが趣味」と発信する人達には、様々な思惑や思いがあるようでした。

例えば、就職活動においての趣味。 婚活においての趣味。趣味欄に書く内容で、その後の人生が変わってしまう可能性があり、ふさわしい趣味を指導されたりする。趣味だけで人間性を問われる現実に、私も一緒に苦悩…。

一方、本人は心から楽しんでいるのに、なかなか理解できない趣味を持っている人も。
電車に乗るのが好きな人―。この人がいい。いわゆる鉄道マニアではない。電車に乗って遠くに行き、観光などもせず、ただ引き返して来る。それだけ。それだけなのに、なんとも楽しそうに、そしてこだわりを持って語っているさまにこちらまで嬉しくなってくる。この本によると、趣味は“味わう”ものであるらしいが、この人こそ、その言葉がふさわしいような気がしてくるのです。

それ意外にも、つまらないと自覚しているのにその趣味を続ける人、マニアな人達の住み分け問題、男と女の違いなど、意外に知らない趣味事情が満載。

また、この本は、様々な書物から趣味に関することを引用しています。的確なものを探すには相当の量を読んでいるのではないでしょうか? これはきっと、勉強熱心な著者の研究レポートなんだと思います。無趣味の著者は、果たして趣味を見つけることができたのでしょうか?


就職において、趣味も重要らしい

マニアの世界もいろいろあるのだ

そこには意外な意味が隠されていた?

エコと趣味とのつながり

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