「もう、20代とは違う!?」いま知っておきたい、女のからだ

更新日:2014/4/28

31歳からの子宮の教科書

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : ディスカバー・トゥエンティワン
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:宗田聡 価格:1,209円

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本書は、特に30代、40代の女性がしっておくべき、女性の健康に関する教科書だ。あえて『31歳からの~』と銘打っているのは、年齢によって刻々と変化している女のからだのことを、そろそろちゃんと知っていないとやばい! と思われる年齢が30歳を過ぎてからだから。

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内容は、生理(月経)のしくみや排卵、女性ホルモンの種類と機能や更年期、精子と卵子の違い、生理不順や不正出血、生理痛、不妊、流産、性病、高齢出産のリスクなど盛りだくさん。女性の体の仕組みについてオーソドックスだけれども普遍的な知識が分かりやすく解説されている。

他にも、子宮筋腫(実に30歳以上の女性のうち3分の1は子宮筋腫を持っているというから驚きだ)や子宮内膜症、乳がん、子宮頸がんといった、婦人科特有の病気や、その予防、検査の方法についても網羅されている。軽く読めて、学ぶところの多い良書だが、そのなかでも特に心に残った内容が以下の2点だ。

そのひとつ目は、まずピルの効用について。

現在32歳の私は、まさにこの本を読むのには適齢期。中学生のころから生理のしんどさに悩まされていたのだが、昨年、子宮筋腫が見つかり、腹腔鏡手術で切除した。今回初めて知ったのは、筆者によれば「現代になって増えている子宮の病気の中には、排卵が何年も続くことによってリスクが高くなっていると思われるものもある」と言う。子宮筋腫に関しても、妊娠・出産して授乳している間はあまり育たないのだが、近年では晩婚化が進み、昔ならば子どもを産む年齢になっても産まない女性が増えているため(私もそうだ)、毎月必ず生理がやってきて、筋腫を育てている(!)のだそうだ。

このような場合には、低用量ピルを使って子宮を休ませることで、筋腫を育てないという措置を取ることもあり得る、という情報にははっとさせられた。今でこそ知られるようになってきたものの、日本ではピルに対してあまりポジティブなイメージはなく、ピルの使用に抵抗を覚える女性も少なくないのではないだろうか? ピルは生理痛などの痛みも軽減してくれる。痛みに耐えることは立派なことかもしれないが、それによる身体的・精神的な負担などの副作用も考えていくことが重要だなあ、と考えさせられた。

もうひとつ心に残ったのは、子どもに関して「できるだけ産む方向で考えてみよう」という提言をしていること。

筆者によれば、2、30年前と比べて女性は健康ではなくなって来ているのだとか。30歳を過ぎての仕事による疲れやストレスは病気の原因にもなるし、妊娠からも遠ざかるらしい。また、母親の年齢が高いほど子どもが奇形や染色体異常になる確立があがり、高齢出産で母体への負担も大きくなるため、可能であれば妊娠するのは20~30代前半が理想だとも言う。

しかし、皆さんの中にも、今は働いているから妊娠したくない(できない)、できれば自分のキャリアが落ち着いた35歳過ぎに子どもを産みたい…なんていう女性も決して少なくないのではないだろうか? 実際に、私の友達でも、4年制大学を卒業して、フルタイムでそれなりの大企業で働いていたのに、子どもが産まれたことをきっかけに会社を辞めざるを得なかった人が少なからずいる。「できるだけ産む方向で考える」ためには、女性が子どもを産むことをためらわずに住む環境を、企業や社会が作り出していくことも大事なのになあ、と切々と感じる。

女性が自分の体について考えるということは、自分の人生について考える、ということと同じことを意味する。タイトルでは『31歳からの~』とあるけれど、いつかは31歳になる若い女性にも、女性との付き合いを考えているすべての男性にも、一読をオススメしたい1冊だ。


皆さんもこんな疑問もったことありませんか? ひとつひとつの疑問にお医者さんが応えてくれます

女性の健康のために大事な女性ホルモンの分泌は、ストレスや疲れ、食生活など様々な要因に影響されるらしい。コラーゲンよりも、ビタミンやイソフラボンを十分とって、女性ホルモンを正常に分泌させる環境づくりが必要! とのこと

流産にも色々なケースが。初期流産の確立は、35歳で20%、40歳になると30%、そして45歳になると80%にもなると言う

オーソドックスだけど、絶対に押さえておきたい知識も図解でばっちりだ