TVでは語られないオーズの一面に真っ向から迫る!
公開日:2013/4/4
仮面ライダーオーズの核心に迫る記述や、その心情描写に大部分が割かれたこの1冊。仮面ライダーオーズに精通している人なら誰しもが納得できる物語のボリューム感がここにあります。
第1章ではアンクの過去、グリードの誕生、コアメダルの謎に迫るアンク編。
第2章では仮面ライダーバース誕生の秘話を語るバース編。
第3章では悲運の女性アルフリードとの出会い、戦い、そして…、映司編となっている。
この本書はこの3つの章からなる仮面ライダーオーズの世界の過去と現在、そして未来が描かれています。いわゆる過去と現在と未来と言ったところでしょうか。
まずは「アンクの章」ですが、これがまた何ともやりきれない思いにさせてくれます。登場する女の子が結構ひどい目にあってしまうという、まあ仮面ライダーのお約束はそのままに非業を背負う宿命は、回避できないようですね。
「バースの章」、これは賛否が分かれるかとは思いますが僕にとってはお気に入りの章になっています。バースドライバー視点とか、なかなかアクロバティックな扱い方に思わず唸ってしまいます。ラストのぼかし具合が、ちょっと歯がゆいのですがそれも含めてのバースなのだなという、ある種の納得感があったりと割と満足な内容でした。
そして「映司の章」なのですが、個人的にはもう少し説明が欲しかったような気がします。が、後日談としての映司の姿をまた見ることができて、ファンとしては感慨深い思いに浸れること請け合いです。映司の心にはいつもアンクが存在しているということも垣間見ることができたりと、ファンにとってはお得感満載です。
過去と現在と未来を繋ぐ「オーズ」とい名のキーワードと、それに関わってくるキャラクターの運命の結末がいかにも壮大に見えてしまう面もあるのですが、そのひとつひとつは人間臭さ満載の物語というのはやはり仮面ライダーの魅力と言えるものだと思います。
それは過去にまつわる物語
どんなに時が流れようともオーズは不変
歴史が繋がるとき、すべてが分かる
(C)毛利亘宏、講談社