女装は目的ではなく、手段です(たぶん)!

ライトノベル

公開日:2013/4/5

ガガガ文庫 女子高生店長のコンビニは楽しくない

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 小学館
ジャンル: 購入元:BookLive!
著者名:明坂つづり 価格:324円

※最新の価格はストアでご確認ください。

こんにちは。イラストのないラノベ世界へようこそ! というわけで、今回は小学館ガガガ文庫のイラストなし版『女子高生店長のコンビニは楽しくない』を読ませていただきましたよ。

ライトノベルはどうしてライトノベルなの? っていうとそれは表紙がアレだから。というくくりは最近当てはまらない事例も結構ありまして。有名どころだと、『もしドラ』とか。ああいうのが出てくるわけだから、表紙がアニメっぽい絵柄だからラノベ、とは断定できなくなってきました。

advertisement

でもまあ、やっぱりライトノベルは読めばわかると思っています。本作(電子版)は、口絵なし、挿絵なしです。で、読んでみると非常にビジュアルの描写をしないんです。よく、ライトノベルをさして文字漫画という表現をする人もいますが、逆ですね。絵があることが前提だから、絵で伝わることは描写しない。

ストーリーは、主人公である南里くんが、女性しか雇わないコンビニに女装して採用されるところから始まります。目的は店長で同級生の支倉さんとお近づきになるため。そしてまあ、多くの女装ものがそうであるように、ばれそうになったりばれそうになったりと、幾度となく危機が訪れ、っていう展開です。しかし、締めるところはしっかりしていてコンビニの経営上の問題も起こり、その解決策として南里くんが体を張ったりするので、まさにいい意味で王道。

キャラクターの配置や設定も悪くない。だけど、なにか違う。ちょうど神林長平の小説に出てくるキャラクターの絵がパッとイメージできないように、ライトノベルなんだけど、その個性的なキャラが絵として浮かばない。あるいは、南里くんがついに下着に手を出すシーン。ここはイラスト来るだろう! と思っていると、当然挿絵なしだからすーっと流れていってしまう。

イラストあり版となし版、出来たら両方読んで、ライトノベルってなんだろうって考えてみたくなりましたよ。


クラスでは影の薄かった南里くん(転校予定)

その影の薄さは、女装すれば同級生にも気づかれないほど

レジの実習で、教育係にひと泡吹かせようとする南里くん

最初は制服だけだった女装も、ついに下着へとエスカレート
(C)明坂つづり/小学館