『キューティクル探偵因幡』の作者が描く、上野動物園の擬国化ギャグ漫画!?
公開日:2013/4/13
ケモノキングダムZOO (1)
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : 講談社 |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:もち | 価格:540円 |
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上野動物園といえば日本一の入園者数を誇る動物園。そんな動物園を舞台に、漫画家・もちが擬国化&擬半人半獣化してしまいました!
同作者により連載中の、アニメ化もされた『キューティクル探偵因幡』は、秘密警察犬と呼ばれる“狼男”がマフィアのボス・ヤギ(ネタではなく本当にヤギ)を捕まえようと奮闘するギャグ漫画。デビュー作である『パパムパ』はパンダとハムスターを足して割ったような生物が、動物たちの悩みを解決していくというストーリーであり、これらの内容から大の動物好きであることがよくわかります。そんなもちさんの溢れる動物愛で上野動物園を描いたとなると――至高のアニマルコメディにならないわけがない。
アッパーヤード(上野動物園)は大きく東西に分かれた国。笹王パンダが亡きあと代理として王となったレッサーパンダでしたが、先代に比べてカリスマ性が欠けるとして、東西を結ぶ大きな橋を境に動物たちが仲たがいするようになってしまいます。
見事なパンダの表紙ではありますが、本作の主人公は、幼鳥のころに怪我をして飛べなくなってしまったオオワシ(ヘタレ)と、俺こそが王にふさわしいと西に乗り込んでくるズーラシア出身の若ライオン(ツッコミ)。
シリアスに始まるストーリーですが、いたるところでボケとツッコミが応酬されています。カンガルーが腹に縫い付けた亡き女房の袋からはグレネードやら大型動物やらが某猫型ロボット並みにわんさか出てくるし、シロフクロウ(ドS)は所構わずオオワシを奴隷調教し始めるし、ライオンの右腕であるゴリラは「バナナ」としか喋れないのになぜか話が通じているし、所々ツッコミスルーなボケもあるし。ギャグ漫画好きには腹筋崩壊が必然です。私もちょっとバカになってしまうぐらい笑っちゃいました。それに動物一匹一匹がすごく可愛いんです! 久々に転がるくらい悶えてしまいました(笑)
やはりギャグ漫画にかかせないのは、シリアスとギャグの使い分けだと思うんです。常にギャグというのも嫌いではないのですが、シリアスで油断した所に突然入るギャグほど笑えるものはないです。もちさんはデビューした17歳のころからギャグ漫画を描いていたためか、その使い分けが素晴らしい。これから先、一生“作者買い”しようと決心してしまうレベルでした。
それにしても上野動物園を擬国化しようなどと、よく思いつかれたものです。読んだあと、上野動物園に行きたくなりました。こんなに素敵な動物たちがいるのなら、私も機会をつくってでも足を運ばなくては。もちろんスマートホンの画面はケモノキングダムを開けたままで!
突然襲ったパンダ王の容態急変(白黒逆転)…。今際の言葉は「笹っ」でした
西の警護をしている飛べないオオワシ(右下)。元は東に居たらしい?
ライオン(左下)の登場で緊張する現場。それにしてもライオンがイケメンです
仰向けにされると大人しくなるという鳥の習性。知らなかった動物たちの豆知識も学べます!
カンガルーの袋の中に居たのは、亡き笹王の忘れ形見――?
(C)もち/講談社