【『DRESS』創刊記念特別書き下ろし】 うっとり要素がすべて詰まった恋愛小説

小説・エッセイ

公開日:2013/4/20

DRESS シャンパン色の恋

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 幻冬舎
ジャンル: 購入元:BookLive!
著者名:愛川耀(@AikawaAki) 価格:1,037円

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いったい果たして、世の中の女性というのはどのぐらいの頻度で恋愛小説を読むのでしょうか? 私ごとながら恐縮ですが、恋愛映画はわりとよく見るのに恋愛小説は全く無視していたジャンル。小説だったらがっちりしたものが好きなので、この手の本はほぼ読んだことがなく、でも表紙が綺麗だったのでつい購入しました。

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「シャンパン」なんていかにもなキーワードを抱えたタイトル。泡のイメージの写真とほのかなグラデーションの効いた表紙は女心を軽く盛り上げてくれます。主人公・浅生磨美子は、40歳を迎えたばかりの外資系高級ホテルに勤めるバリバリキャリアウーマン。

「このところつき合ってる男と別れても傷ついたりせずに溜息をつくだけで終わっているのは、本気になっていないから」というシビアなお年頃。誕生日の日にはプラダの眼鏡を新調、装いも新たに、仕事に生きる人生を決めたはずなのに! あぁ! そこで出会うんですねぇ。しかも出会いはマノロのヒールが排水溝に挟まってしまったから。それを助けてくれたのは、名も知らぬ男…。あら、やだすっかり期待しているではありませんか。最初から。

高級ブランドの美術館でのパーティや、運転手付きの車でのお迎え。都会の夜景を見下ろすマンションでの逢瀬。バリキャリだったはずの磨美子はすっかり骨ぬきです。彼のことばかり考えて過ごしてしまう。その逡巡の様子など、女性も男性もキューっとくるような構成。恋の横恋慕も抜かりなく登場。やー参りました。すっかりうっとりさせられてしまいました。なんでも著者はMBA資格も持つアメリカ在住の才女。ゆえに、全編に流れる雰囲気は東京が舞台ながらもハリウッド的な華やかさ。いいですねぇ、小説は。どんな人間にもなれてしまうのですから! とすっかり主人公と一緒に恋をして読了。こういうジャンルも悪くないかもとしみじみ感心した1冊でした。

モテるためのマニュアル本を購入しようとしている男性諸君には、こういう小説のほうが女性心理がよくわかるのでおすすめします。


キタッ! ありそうでない、でも定番な出会い。でも、いい!

「こういうの初めて」というセリフを言わせたら勝利も近く!?

やっぱり最初はこうしてもめます

「待ち」の時間が恋愛を盛り上げてくれます