父親になった乙武氏。自己肯定感と子育て論
公開日:2013/6/2
彼の最初の著書、『五体不満足』は、聞くと日本第3位を記録するベストセラーとか。あの衝撃の1冊が出版されたのが1998年。それから15年が経ち、乙武氏も大学生から社会人に、そして父親に。
1冊を読み終えて、氏のまっすぐさというか、彼の持つ疑問やそれを解決せずにはいられない行動力に舌を撒きました。もはや彼の身体的負担はデメリットではなく、生きるモチベーションを生み出してくれる重要な条件だとも思えます。
彼の明るさと「自己肯定感」はどこからくるのか。それはもちろん、育った家庭によるところが大きいわけで、両親のその子育ての仕方、愛情の示し方を語っている部分はとても興味深いです。
障害を「不便では有るけど不幸ではない」というその心持ちや、考え方を育ててくれた母親の教育には、子供を持つものとして多いに参考になるところがありました。そして両親から受けたその愛情を今度は教員として他人の子供に波及させてゆこうというストレートな生き方は、相変わらずの乙武流で、これにもやはり頭が下がります。
子供を持って初めて、「自分が守ってやりたい存在ができたとき、ぼくにはどうすることもできなかった」と、その自己肯定感にも暗い影が訪れる。それを妻と話してゆくことで解決してゆく。当たり前のようでなかなかできないことをひとつひとつ家族で解決してゆく姿は本当にまっすぐで美しい。ことに子育て中の夫婦で一緒に読んで欲しい1冊です。
家族のありかたは千差万別。でもこんなお父さんだったら素敵です
確固たる自己肯定感がゆらぐとき
簡単な例ではあるけれど納得できるエピソード