シリーズ累計650万部を突破した原作をマンガ化! 貧乏お嬢様による昏君更生大作戦!

更新日:2013/11/13

彩雲国物語 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:雪乃紗衣 価格:520円

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私がこの作品シリーズと出会ったのは、歴史テイストのライトノベルをあさっていた高校生の頃。『彩雲国物語』というタイトルに釣られて買い、帰りの電車で苦労することになりました。なんせ、節々で決まるキャラクターたちの面白いかけあいのせいで、危うく突然笑い出す怪しい人になってしまうところだったのです。

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本作は、会話のコミカルさが売りの、第1回ビーンズ小説賞読者賞・奨励賞のW受賞作であり、NHKでアニメ化もされた「彩雲国物語」シリーズのコミカライズ作品。原作ライトノベルの挿絵を担当していた由羅カイリさんが作画を担当されているということもあり、原作愛のあふれるコミカライズとなっています。

世界の舞台は中国風味の架空世界。
世界には藍、紅、碧、黄、白、黒、茶、紫、計8つの州があります。一般市民が州と同じ姓を持つことを禁止されたため、その色の姓を持つ人間は、州を収める豪族・名門に連なる人間ということに。そして本作主人公の紅秀麗(こう しゅうれい)は、由緒正しき名門紅家直系のお嬢様…のはずなのですが、しかしてその実態は、壮絶なる貧乏赤貧生活を送る超倹約家お嬢様。なにせ広大な屋敷の維持費が馬鹿にならないのに父は閑職、帳簿は真っ赤、秀麗はせっせと毎日バイトに精を出さねばならないのです。

さて、そんな秀麗のもとに、突如金五百両のお仕事が舞い込んできてさあ大変。話を聞く前に頷いてしまい、政治に興味のない王の根性を叩き直すために後宮に入るという難題をふっかけられて…というあらすじです。

原作にあったコミカルなキャラのかけあいは本作でも健在で、昔わたしが読み始めから思わず笑ってしまった1シーンがあります。バイトの予定が狂って米が買えなくなったという時の、「あの真ん中に走る一の線…米との差を見せつけられるようなあの一の線に今日も」「“へいへいオレはコメじゃないぜ”“スジの通らねぇごまかしはやめときな”…って嘲笑われるんだわ―――っ」という叫びと、「お嬢様、麦はしゃべりません」という家人の冷静なツッコミには、今でもクスリとさせられました。

歳に関係なく楽しませられるコミカルさが、いきいきと動く絵でますます磨きがかかっているのが嬉しいところ。最近あまり笑っていないという方がいらっしゃいましたら、ぜひご一読をオススメします。


「金五百両じゃー!」破格のバイト料に釣られて、思わず即決。秀麗さん、気持ちはわかりますがまず内容確認を!(笑)

「夫婦の溝を埋めにいくぞ!」と夜に秀麗の寝所に現れた王様。そんな彼が秀麗に求めたのは、なんと自分を名前を呼ぶこと! この王様おバカかわいい

ご老臣方が知恵を絞った「運命の出会い」作戦が実行される前に出会う2人。どんな内容になったのかはわかりませんが、2人がダメでもツッコミに忙しい彼がどうにかしてくれてたって信じてる…!
(C)Kairi YURA 2007 (C)Sai YUKINO 2007