大物アーティストたちの”楽曲”以外のメッセージ
公開日:2011/9/30
老舗の洋楽系雑誌、「CROSSBEAT」。2005年12月号の特集、「ロック史に残る衝撃のメッセージ」が加筆・訂正され、更に電子書籍化されたもの。
収録されているのは、49名のアーティスト・50の名言に対するコラム。ジョン・レノン、ジミ・ヘンドリックス等のレジェンド系の大物から、レディ・ガガのような最近ブレイクしたアーティストまで、バラエティに富んだチョイスが見事。
「俺たちが成し遂げたいのは『状況は変えられる』という社会的雰囲気なんだ」
(THE CLASH/JOE STRUMMER)、「『音楽で世界を変えることはできない』と言っている自分がいる。でも曲を書くたびに、もうひとりの自分が『でも世界を変えたい』と言ってるんだ」(U2/BONO)などの言葉は、正に名言。これらの発言にまつわるサイドストーリーも非常に興味深く、読み応えもバッチリ。なのだが・・・。
残念なことに、「コレって名言?」と感じてしまう発言もチラホラ。デヴィッド・ボウイの「大物アーティストがステージで殺される日がいつかくると思う。ずっと思い続けてるんだ、それは僕のはずだって」とか、ニルヴァーナのカート・コバーンの奥さん、コートニー・ラヴの「カートの残した遺産をすべて無くしたわ」とか(^^;)。
両名共にもっとそれなりな発言を残しているハズ。よりによってこの発言をピックアップしなくても、という感がしなくもないのだけど、それは各人の受取方次第。好きなアーティストでなければ、気にしない方が良いかな?
更に残念なのは、オリジナルの発言を目に出来ないこと。英語のままで構わないから、元の発言をそのまま掲載し、その上で対訳が欲しかった。個人的には、発言のニュアンスが微妙に違う気が。その確認が出来る構成であれば、もっと良かったかもしれない。
電子書籍としてのインターフェースはなかなか優秀。ページスライドは快適だし、しおり、目次ジャンプなどの基本機能は漏らさず搭載されている。ユニバーサル版だから、iPhoneでもiPadでも快適に読めるし、テキスト検索などの付加機能も充実している。惜しむらくは本文長押しでgoo辞書やwikipediaなどで語句検索可能、という機能。実に便利そうなのだけど、テキスト選択が思った位置で出来ないのはいただけない。もしかすると、僕の指が太いだけかもしれないのだが。
書籍定価1,000円に対し、iPhone/iPad版は350円とお買い得。洋楽好きの人であれば、インストールしておくべき。ロック談義のネタにどうぞ!
iPad横表示、通常の書籍と同等の読書感覚が味わえる
iPad縦表示、大きめの文字に加え、見た目が美麗となる
各編の前にある章タイトル、目次からのジャンプは必ずこのページに飛ぶ
操作インターフェースはなかなか優秀、基本的な機能はほぼ押さえている
テキストハイライト→Wikipedia/Goo辞書検索は便利なのだが、目的のワードをハイライトするのがなかなか難しい