任侠に似た人情。ありえない設定にわくわくする、現代の合戦小説
更新日:2012/3/7
うわあーーーー、大阪行きたーーーーい。
瓢箪もって歩きてぇぇぇぇぇ。
と、読み終えたあとジタバタするくらいに著者の大阪愛が溢れたこの小説。「ええ!そんなんアリ!?」というその発想の驚きが面白さのキモなので、がんばってネタバレせずに紹介したいと思います。まだるっこしいわ!という人は、私のレビューなぞより、とっとと作品を読むことをオススメします。
5月末日木曜日、大阪完全停止。その事態は、大阪以外の日本人はだれも知らない。知っているのは、会計検査院から派遣された個性豊かな調査官3人だけ。万城目さんの発想力には毎度驚かされますが、大阪という土壌はその発想力の大きな源であるのだなあと感じました。たぶん大阪の人にしかこれ、書けない。
もちろん郷土愛はどの国・地域でも強いものだと思いますが、関西とくに大阪は独特だと思うのです(ちなみにわたしは何かにつけ茶化されやすく郷土主張の激しいキンキラ鯱王国出身ですが、大阪のそれにはかなわないと思う)。いい意味で、ザ! 大阪イズム。歴史、人情、お好み焼き。後半、ざっくざっくと皆が立ち上がっていくさまは読みながら「うおおおお~」とドキドキ、高揚したものです。そう来るか! という展開の数々を、ぜひお楽しみいただきたい。
アイスばっかり食べてる、笑顔秘匿の副長「鬼の松平」。いいところなんて無邪気さ(無神経?)くらいのおっちょこちょい男「ミラクル鳥居」。ハーバード大卒のクールビューティ、「旭ゲーンズブール」。キャラクターの個性はもちろんですが、お気づきになりませんか? そう、この3人の名前はすべて、豊臣家にかかわりのあった人物から由来しています。そんな細々仕込まれたネタにもご注目。
ちなみに映画では松平=堤真一で、旭=岡田将生、鳥居=綾瀬はるかと男女逆になりましたが、このキャスティングは大納得。鳥居(男)はイラッとくるのに、鳥居(綾瀬はるか)は憎めずかわいい、というのは私だけじゃないはずです。
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