「ライトノベルってなに?」を物語で説明すると、こうなる

ライトノベル

公開日:2013/7/26

ラノベ部

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / メディアファクトリー
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:平坂読 価格:450円

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「ライトノベルとは!?」(叫ぶ詩人の会をイメージしてください)
なにを訳のわからないことを…。という声が聞こえてきそうですが、本書のテーマはまさにこれです。なにをもって、ライトノベルはライトノベルとなり得るのか? 著者がそこまで追求したかどうかはわかりませんよ。でも、たとえ無意識であっても、ライトノベルってなんだろうな、というのはどこかにあったと思います。

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大まかなストーリーは、現代文が苦手で「自分では小説を買ったことがない」高校生、物部文香さん(15歳)が、「ラクそうだから」という動機で軽小説部なる部活に入るところから始まります。ここでいう軽小説とは当然、ライトノベルのこと。ところが文香さん、サブカル知識がまったくありません。腐ってる先輩と会話しても、「はぁ」みたいな感じで受け流しちゃうんですよ。ツッコミを入れるでもなく、共感するでもない。でも、同時に偏見もない。クラスメイトの藤倉暦さんも軽小説部なんですが、本ばかり読んでいて友達いない子ちゃんの暦さんに対しても、きわめてフラットに接するんですね。そんな文香さんがライトノベルのおもしろさ、楽しさに気づいていく過程のお話です。特に、部長の美咲さんから強制貸し付けされたラノベ3冊を徹夜で読んでしまうところなんて、身に覚えのある読者にはたまらなく懐かしい光景でしょう。

ライトノベルの定義っていうのはいろいろあるかと思いますが、スレイヤーズからイリヤからブギーポップ。果てはニャル子さんに至るまでを網羅できるものがあるかどうかは怪しいと思います。でも、本作のように「文香さんみたいな読者を楽しませる本」という風な認識はありだな、と思いました。


フォントで演出するのも「ライトノベルならでは」ですね

これなんか、まさしくライトノベルのあるあるだと思う

文香さん、よく部活に踏みとどまりました

「腐ってやがる」のコメントがみえた気がしたページ