須藤元気の合理的な生き方に学ぶ! 今こそ、何かを始め変わりたい人へ

更新日:2013/9/12

やりたい事をすべてやる方法

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 幻冬舎
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:BookLive!
著者名:須藤元気 価格:1,123円

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みなさんは、WORLD ORDERをご存知ですか?

かつて格闘家として一世を風靡した須藤元気氏率いる、ダンスパフォーマンスユニットで、スーツにメガネ、髪は7:3という、ステレオタイプな日本のサラリーマンルックがトレードマーク。先鋭的なアニメーションダンスとデジタル系テクノハウスの融合が衝撃を呼び、世界を舞台に活躍中。この9月22日には「イナズマロックフェス2013」にも出演予定、フェスでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、注目を集めています。

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そんなユニークなパフォーマンス集団を自らプロデュースしつつ、拓殖大学レスリング部監督でもあり、作家、ミュージシャン、タレントとしても多彩な活動を展開中の須藤さんの最新エッセイがこちら。ひとことで説明するなら、須藤流の自己啓発本です。自分のやりたい事をすべてやる方法が、論理的かつ説教くさくない、わかりやすいたとえで展開されているので、サクサク読み進めることができます。

たとえば、夢を叶えたいなら「ベストサイズの夢」を選ぶ。女の子にモテたくてバンドを始めたけれど、血で血を洗うような競争の激しい領域「レッドオーシャン」ではなく、競技人口の少ないグレコローマンスタイルのレスリング=競争の少ない領域「ブルーオーシャン」を選んで優勝したこと。

「ラクをして勝つ」ためには“これさえ押さえておけば勝てる”、ポイントを把握したナポレオン戦術が必要で、そのためにはまんべんなく上手くやる器用貧乏ではなく、主力(決め技)をもつ器用金持ちな発想をもったほうがいいこと。

さらに、何事も常に「この現象は自分にとって良いことだ」とポジティブに捉え、堂々巡りでひとり悩むよりも「まずは外を歩いてみる」「周りの人に口に出して言う」という、悩みを抱えないセルフコントロール術にも説得力を感じます。

全体にライトで痛快なテンポで書かれていますが、冒頭では、あの東日本大震災に触れ、日本の年間の自殺者数が3万人であることを憂い、行き詰まった政治や被災地の復興に原発問題など、自分たちの世代が解決していかなくてはならない数々の課題を上げています。震災ボランティア時の経験から、〈人は理屈では動かない。動くときには二つの理由があり、ひとつは利益、もうひとつは感動である。この災害を機に「所有・支配」という物質的な繋がりから、「分け合い・協力」という精神的な繋がりへと時代は変わっていく〉と、まさに、五輪招致が成功し、しかし原発事故の収束はいまだ見えない、現在の日本の状況を意識したかのようなメッセージに考えさせられます。

「最初から諦めて何もしないでいるのではなく、状況を逆手に取って、前向きでいたい」「価値観の変換期でもあるいまの時代は、どんなことに対しても ポジティブに返すということが大事」。この言葉が、あなたの未来に、変化をもたらしてくれるかもしれません。


目次の見出しからしてユニークな須藤節。わかりやすいので頭に残る

WORLD ORDER結成当初のエピソードから、組織心理を学ぶ

自分に「足りないところ」があったら、それを逆手に取ろうという発想