世界一くだらないあの女たちのエピソードに辛口痛快ぶった斬り!

更新日:2013/10/3

ふ ざ け な い で !? あの女48人のぶっちゃけ恋愛相談

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : KADOKAWA / 角川書店
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:BookLive!
著者名:ゴマブッ子 価格:1,080円

※最新の価格はストアでご確認ください。

恋愛相談なるものを私はしたことがない。というのも、相談できるほど、事態を客観的に見れている時点で、相談の必要がないと思うからだ。もっともやもやとしていて、何が自分の中で蠢いているのかわからない時が一番辛かったり、苦しかったりするわけで、それをアウトプットできる時には既にあらゆる結論は出ている。だから、他人の恋愛相談に乗る時もどこか私は心の中で「こんな茶番…」と思ってしまうのだ。この人は恋愛相談する自分に酔っているだろうなあと考えると、そんな自分主演のノンフィクションドラマのストーリーを語る彼女の姿は、なんとも滑稽なのである。

advertisement

こんな私なのだけど、ありのままの感想を述べてしまっては、「優しくない」とか「親身じゃない」などと非難されるかもしれないし、本人は真剣な相談であると思い込んでいるかもしれないから厄介なものである。もちろん面と向かって貶したり、邪険に扱ったりをするなんてことはできない。本当は「バカじゃないの?」とか「くだらないわ!」とか言いたい気持ちをグッと堪えて、まるで共感しているかのように眉尻を下げながら頷いているのだった。

だから、本書の恋愛に関する相談へのぶった斬りは本当に気持ちがいいのだ。著者であるゴマブッ子氏はゲイのコラムニストであり、彼には日々男女関係に関する様々な相談が寄せられ、ブログなどでのそれらの相談への辛口な回答が読者の人気を博している。

本書では、48人の相談を取り上げ愛のあるぶった斬りを見せており、ぶった斬りという言葉がこんなにも似合うかというくらい、切れ味は抜群だ。包み隠さず正論を投げ返し、相談者から軽く魂が抜ける様子が目に見えるよう。人様の不幸話という蜜と、そんな風に打ちのめされていく相談者たちを楽しみながら、ふと気付く。相談者の皆さんは、ぶった斬りを求めての相談であるのだということ。つまり「可哀相に…」とか「大変だったね…」とか優しい言葉が欲しいわけでも、一緒に悩みを共有して解決して欲しいわけでもないようなのだ。では、普段の私の気遣いは…? 意味なし!?

そういえば、「悩みを相談したいタレントランキング」でマツコ・デラックス氏が支持率40.8%と堂々の1位であったのを思い出す。もちろん名前を聞いて「優しい人」とイメージする人は限りなくゼロだと思うのに不思議だった。回答理由は「あたり障りのないことで終わらなそうだから」「悪い意見もはっきり言ってくれそう」「嘘のない意見をくれそう」などなど、「辛口」「毒舌」といったキャラを肯定的に受け止めたものが大方を占めていた。なるほど、望んでぶった斬られたいってわけね。励ましてくれそうな「優しい人」を選ぶわけではないことがハッキリと示されたのだ。実はゴマブッ子氏=マツコ・デラックス氏という噂も出るほどで、それほど受容のある存在のお二方である(キャラクターである)ことは間違いがないようなのである。

しかし、ここまで確信が得られても、私は相談に来た友人などに「くだらないわ!」とはいう勇気は出ないのだった。やはり、近くの人程、ぶった斬りたくてもぶった斬れない。歯がゆいものだが致し方ない。私だって、友達から急に反旗を翻られるような対応をされたら次の日からどんな顔をして会えばいいのかわからない。私ができる唯一の抵抗は、きっと、恋愛相談なんていうくだらないものになるべく時間を割かないということだけだろう。ガールズトークだけが女のたしなみじゃなくってよ!


こんなエピソードたちが48個!

知りたくない現実を教えて差し上げて!

ゴマ様の目は誤魔化せないわ!

最後は愛のある言葉を

「あの女」になれるアドバイスなんてのも♪