独走する奇才・松本次郎。女子高生とゾンビ、夢のコラボ

更新日:2013/10/18

べっちんとまんだら

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 太田出版
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:松本次郎 価格:500円

※最新の価格はストアでご確認ください。

銃と戦車と女子高生とゾンビと、河川敷。

以上が、この漫画の全てではないかと思います。しかしながら、決して内容がないという意味ではありません。
中身がないということがあるというか、なんとも説明のし難いのですが…

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―――まぁ、ともかく。皆さんが思っている以上に、“松本次郎なカンジ”であることは確かです。シニカルな芸術映画のような空気感は、他では中々味わえません。

現代のニュー・ウェーブを独走する奇才・松本次郎が紡ぐ、女子高生マンガ“べっちんとまんだら”。
廃戦車に寝泊まりし、著しく粗暴な“べっちん”と、妄言と奇行の激しいお嬢様“まんだら”の物語です。のっけから松本次郎ワールドは一切の手加減なし。全くフツーでない主人公達による支離滅裂なやり取り、妙なテンポ。一見破綻しまくっているような気もするのですが、中毒性がかなりあります。

また、濃ゆい日常マンガであり、ゾンビ相手に戦うマンガでもあるという激烈な展開の前では、筋を追う読み方すらバカバカしく感じてくるのです。これはあれですね、初見で映画『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を観た時のショック度に似ているかもしれません。いや、ホントに。

著者の特徴である、ザクザクとマチエールの残る線画も、作品にとてもマッチしています。手持ちカメラの手ブレのような定まらない画面は、平衡感覚を奪うようです。これがまた、たまらない。

何だかよくわからない女子高生が、何だかよくわからない場所で、何だかよくわからない事をする。徹頭徹尾、何だかよくわからないけれども、何だかよくわからないなりに面白くなってくるんですよね。とはいえ、面白くなってくるものの、やっぱり何だかよくわからないのです。

おぉ…これこそ、紛うことなき“松本次郎なカンジ”。フツーでは満足できなくなってしまったフリークな方々にこそオススメ!!


べっちんとまんだら。テープレコーダーとは一体…

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(C)松本次郎/太田出版