スズメバチvs人間! 討伐or脱出? 知恵と工夫で生き延びろ!

小説・エッセイ

公開日:2013/11/6

雀蜂

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : KADOKAWA
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:貴志祐介 価格:561円

※最新の価格はストアでご確認ください。

みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。一度だけスズメバチ駆除のバイト経験がある中國卓郎です。今年は高温少雨でスズメバチ被害が多かったなんてニュースを見かけましたが、スズメバチの何が怖いってそれはやはりアナフィラキシー・ショックでしょう。作中に登場する女医さんは「ハチ毒の怖さは毒そのものより、それによって引き起こされるアレルギー反応にある。」と言ってます。そして一度目より二度目に刺された時の方が強いアレルギー反応を引き起こすらしく、場合によっては死に至る事もあるそうです。

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本書の主人公は過去に一度刺されており、しかもハチ毒に敏感な体質らしく「次に刺されると命にかかわる」と先の女医さんに言われているのです。そんな彼が雪山の別荘でスズメバチと孤独な死闘を繰り広げます。防寒具はおろか移動手段すら断たれ逃げ出す事が困難な状況の中、少しづつ装備品やアイテムを調達して無数のスズメバチに反撃を仕掛けて行くのですが、その過程がカタルシスたっぷりで非常に爽快&楽しいです! なんと言いますか…モンスターをハントする某大人気ゲームの楽しさに共通するものがあると感じました。フィールド(別荘)で有効なアイテムを採取(家捜し)しつつ強大なモンスター(スズメバチ)を討伐するってんですから勿論オトモ(工夫を凝らしたテディーベア)も出てきます!

別荘内と言う狭い空間、しかも登場人物は(ほぼ)主人公のみと言うシチュエーションに「退屈な作品」ってイメージを抱く方がいるかもしれません。しかしこれが全く逆なのです! 限定された空間にたったひとりのメインキャラククターと言うシンプルな構成だからこそ、映像イメージが容易に…と言うかもはや無意識レベルで脳内にてグングン映像化されていきます。そしてそれがストーリーへの没入度を高めまくり、結果あっという間に最終ページへ到達される事でしょう!

で、購入サイトの内容説明に「最後明らかになる驚愕の事実とは!?」ってあったのですが…ハイ確かに驚愕でした! でもきっとコレ(ラスト近辺)賛否両論なんだろうなぁ…なんて思いました。ちなみに僕は賛否で言うとやや「否」よりな印象ですが、作品全体を通せば大いに「賛」でありますからして非常にオススメしたい作品であります。


「スラッシュメタルのリズムに乗りながら殺戮に酔う」要約するとフルフェイスの男がノリノリでラケットを振り回す…想像するとホンノリ笑えます

自分の過去作の一説を主人公はよく引用しますがどれも面白そうで気になります