美少女サタンと義妹退魔師でハーレム! だけでは終われない物語
公開日:2013/11/10
ひきこもりパンデモニウム
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : KADOKAWA / メディアファクトリー |
ジャンル:ライトノベル | 購入元:BOOK☆WALKER |
著者名:壱日千次 | 価格:450円 |
※最新の価格はストアでご確認ください。 |
ライトノベルのタイトルには、4文字系とかスレタイ系とかありますが、こちら『ひきこもりパンデモニウム』は内容にストレートじゃないかと思います。
名は体を表すといいますが、本作を要約すると「地獄から悪魔の襲来がちっともないので、退魔師としての能力を見せつけるチャンスがなく、痛いやつらとしていじめられて”ひきこもり”になってしまった義妹と暮らす主人公、日高見春太くんの家に、待ちに待った地獄からの訪問者、サタンが来るのだけれど、なんだかんだでサタンも一緒に暮らすはめになって日高見家が”パンデモニウム”に…」という話です。オチは含んでいませんが、ワタクシ程度でもこんなに簡単に要約できるということは、テーマがぶれず、構成がしっかりしていて、文章もよかったということでしょう。
今書いたように、マクロな視点でみても綺麗な作品なのですが、細部を見てもアラがなく、「よく練られているなあ」と感心するばかりなのです。たとえば登場人物ですが、主人公の春太くんはもちろん、義妹の久遠さんや、実家がアダルトショップという設定のクラスメイト、多々良さんなど、みんな妙に下ネタが好きな変態さんぞろいです。当然、彼らの会話は変態チックなボケと突っ込み。最近よく見かけるタイプではありますが、流行を追うばかりでなく、ストッキングの糸の太さにこだわったり、アダルトグッズの商品名に詳しかったり、と全編にわたって変態雑学がちりばめられていて飽きさせません。
またお約束ではありますが、物語後半には日高見家の秘密に春太くんが気づき葛藤するなど、話は大きく盛り上がります。隙がありません。完璧です。ひとつだけ残念な点をあげるなら、あまりに綺麗にまとまりすぎているので、続編が出せるのか心配だということくらいです。
口絵より、登場人物のみなさん
退魔師としての日高見家の様子
待ちに待った悪魔襲来! 春太くんの反応が笑えます
で、一応の闘いの後、サタンさんは居候することに…