命を賭けた「だるまさんがころんだ」…退屈な日々よサヨウナラ
更新日:2013/11/11
「どちらにしようかな 天の神さまの言うとおり…」。ご存知、何かを選ぶときに使われる子どもの数え歌です。地方によってこれに続く文句が違うようで、私の出身地である大阪では「プッとこいてプッとこいてプップップ」の最後のプで決定します。
無宗教の日本人などといわれますが、「困ったときの神頼み」「バチがあたる」など、ぼんやりとした存在は意識している、とも。「天の神さまの言うとおり」も、神様の思し召しなのだから、どれが決定されても後悔しない、ということですね。
さて、本作のタイトルは『神さまの言うとおり』。しかし、この舞台では、信仰があってもなくても、神さまの思し召しに従ってはなりません。ゲームの勝利を自分の力で得られなければ、死あるのみです。
主人公は、平凡な男子高校生・高畑瞬。“退屈”な日々を消費しています。ところが、ある日の授業中、悲惨なその“ゲーム”は、突如、始まりました。
誰もが知っている「だるまさんがころんだ」。教壇に立っていた教師の頭を破裂させ飛び出し、教卓の上に後ろ向きで鎮座したダルマが、「だーるーまーさーんーがー…」としゃべり、生徒たちは混乱します。「ころんだ。」で振り向いたダルマに動いているのを見られた生徒は、みな、頭が破裂。教室からは出られない。生徒たちは、徐々にこのゲームのルールを理解していくのですが…。
脱出ができない環境で、さまざまな理不尽ゲームに引きずり込まれ、次々と死んでいく生徒たちの中で、高畑瞬は勝利を掴む貪欲さを発揮し、生き抜きます。サバイバル・シチュエーション・ホラー作品は数ありますが、重苦しさやシリアスさはなく、あくまでも軽快に読めるのが本作の特長です。2014年秋に実写映画化予定とのこと。今からチェックを。
退屈な毎日を過ごす高畑瞬
何の前触れなく始まった不条理ゲーム
ゲームに負けると、悲惨な死が待つ
「神さまの言うとおり」を受け入れず、知恵と勇気を振り絞って「自分で」生きる道を掴み取らなければならない