ウルトラマン因子で戦う巨大化しないウルトラマンの現代風スペシウム光線に胸アツ
公開日:2013/11/22
ウルトラマン世代ではないので、正直、それほどウルトラマンに思い入れがあるわけではありませんが、誰でも知っているヒーローですし、これだけの話題作なので、興味があって購入。数ページを読んで思ったのは、「あ、これは人気が出るはずだわ」。だって、『アイアンマン』はいま人気だし、「ウルトラマン因子」という設定がオモシロイ。
本作は、当時のウルトラマンを単にコミック化したものではありません。そして、当時のウルトラマンの世界観を無視したものでもなく。ウルトラマンファンであってもなくても、いい意味で予想を裏切られるはずです。
「光の巨人」と呼ばれるウルトラマンは、世界を救い、宇宙遠くの故郷に帰還しました。ウルトラマンと同化していた早田進は歳を取り、今では防衛大臣を務めるまでに。一方で、本作の主人公である息子の進次郎には、父から受け継がれたウルトラマン因子による影響で、生まれながらに常人とかけ離れた身体能力と特殊能力が。父譲りの正義感を抱く多感な高校生の進次郎は、自分だけが持つ力を決して悪用せず、制御しつつ普通に生きるべく努めていますが、地球に再び危機がやってきたため、抑えていたウルトラマンパワーを発揮します。
ユニークなのは戦い方。ウルトラマン因子を有してはいるものの、ウルトラマンはすでに地球にいません。ウルトラマンの代名詞である「巨大化」は不可能。そのため、潜在能力を最大限に引き出すため、アイアンのフォルムやギミックがすばらしい強化装甲「ウルトラマンスーツ」を着て、敵対する存在に立ち向かいます。
また、主人公の苦悩とシリアス感が、勧善懲悪に終わらないストーリーの深さを演出する一方で、バトルシーンは超スタイリッシュ。現代風スペシウム光線が繰り出されるシーンでは、「キタコレ」的な不思議な感動を覚えること必至です。
科学特捜隊員であった井手光弘、富士明子、そして諸星弾なども登場。運命に巻き込まれた現代の等身大ウルトラマンが本物のヒーローになっていく様に、胸を焦がしてみてください。
主人公の早田進次郎。ウルトラマンスーツがとにかくカッコイイ
噛み合わない父と息子。しかし、じつはウルトラマン因子を共有している
ある日、進次郎の前に突然あらわれた「小さなウルトラマン」
迫力のバトルシーン
これが現代風スペシウム光線だ