原作は『俺物語!!』の河原和音。親友に彼氏ができるなんてイヤ! 強い強い女の友情…

公開日:2013/12/11

友だちの話

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 集英社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:山川あいじ 価格:400円

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身体の中に嫉妬を充填させれば、呼吸をするのさえ苦しい。例えば、親友に彼氏ができた時。喜ばしいはずなのに、どうしてだか、親友の彼氏と張り合ってしまう。「あの子の何を知っているの?」「私以上にあの子のことを好きって言えるの?」と思ってしまうのは、親友を取られるのが怖くて仕方ないからだ。こんなに虚しい思いをさせる犯人を許せない。そんな嫉妬を抱いたこと、ありませんか?

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『友だちの話』は、『高校デビュー』や『俺物語!!』でも有名な河原和音が原作、『アニマニアル』や『やじろべえ』の山川あいじが作画という豪華作品だ。本書で描かれているのは、女子高生達の友情。一見すると、彼女達の強い絆は狂気じみてさえ見える。だが、次第に互いが互いを親友として大切に思う気持ちに心が温かくなるのは、私だけではないはずだ。

地味で気弱でとことんお人好しな「英子」と、誰もが振り返る美少女ながら性格がハッキリとしていて損をすることの多い「もえ」。見た目も性格も正反対の2人だが、彼女達は強い絆で結ばれ、いつでもどこでも一緒だ。男子にモテモテのもえは色んな男子から告白されるが、英子との時間が第一。告白される度に「自分と付き合うってことは、英子とも付き合うってことだから、英子をもえより大事にしてね」と言い放つもえに一向に彼氏はできなかった。だが、ある日、「英子も大切にする」と言いきる土田が現れる。土田、もえ、そして、英子という3人で学校の帰り道も休日も一緒に過ごす日々に英子は次第に「自分は邪魔者なのではないか」という思いを募らせていく…。一体、英子ともえはどうなってしまうの? 土田の運命は? ページをめくる度に意外な展開から目が離せない。

2人の絆はとんでもなく深い。英子の心の繊細さにもえは敏感に気づくし、英子ももえの性格をしっかりと見抜いている。何で一見正反対の2人がこんなにも深い絆を結べたのだろうか。「英子はさ。人を見る目ないと思うんだ、私と親友やってるくらいだからさ。」美人なのにはっきりとした物言いをする、もえだが、彼女は彼女なりに孤独を抱えているのだろう。相手の良い部分も相手が自分で自信がないと思っていた部分についても「いいね」と認め合える関係が羨ましい。

女子達の深い友情。そして、男子達との恋愛。この本はもしかしたら、男子にこそ、読んでほしい1冊かもしれない。女の子の繊細心模様が美しく描かれた1冊。


気が優しい性格の英子と、ちょっと気が強すぎるもえ

もえに彼氏ができて英子は気を遣いだす

もえにとって英子はかけがえのない存在

英子を気遣うもえ

英子の存在がもえを変えた。だから、彼女達は親友なのだ
(C)山川あいじ、河原和音/集英社