「このマンガがすごい2014 」第2位作品。伝統芸能と青春と

公開日:2013/12/14

月影ベイベ(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:小玉ユキ 価格:432円

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東京からやってきた転校生、蛍子(ほたるこ)は地元の伝統芸能である踊り“おわら”を小馬鹿にしたような態度を取り、クラスメイトたちから反感を買っていた。しかし、佐伯は蛍子が一人で“おわら”を美しく完璧に踊っているところを目撃してしまう。なぜ地元の人間でもない蛍子が“おわら”を美しく踊ることができたのか。そして高校生である蛍子は、なぜか佐伯の叔父のことを「円くん」と呼び…。繊細で美しい世界観を描くことを得意とした小玉ユキが、今度は伝統芸能を背景に高校生の恋愛を描く。

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“おわら”、と言われてもいまいちピンと来ませんが、あの独特な形の頭に被る笠を見れば、誰しも一度は見たことがあるはず。ただ写真では見たことはあるけど、実際に踊っているところはあまりないかも。この踊り、富山県の伝統芸能だそうです。登場人物が喋っているかわいい方言は富山弁なんですね。

著者の小玉ユキさんは見惚れるような美しい絵や構図を描く漫画家さんですが、登場人物たちが“おわら”を踊るシーンは漫画ながらに惚れ惚れしてしまいます。それに加えて、かっこかわいい佐伯くんと、美しい蛍子ちゃんの見ているこっちまでが恥ずかしくなるような急接近加減。雨の中、ノスタルジックな街並みを相合傘で帰るシーンのなんて素敵なこと!このまま佐伯くんと蛍子の伝統芸能を通じての楽しい高校生活、恋愛物語がスタートするのか!?

なんて思っていた矢先、突然、立派な中年男性である佐伯くんの叔父さんに向かって、蛍子は「円くん!」と叫びます。は!? 円くんって!? 叔父さんも蛍子を見てなんだか頬を赤らめている。何かあったにしては、ちょっと年齢離れすぎだし、一体どういうことなんでしょう。そしてそんな2人に、佐伯くんもただならぬ気配を感じとります。佐伯くん、まだ自分の気持ちにちゃんと気づいてはないけれど、絶対蛍子のこと好きだから、叔父さんとの三角関係必至ですね。

魅力的な伝統芸能“おわら”に、それぞれの恋愛模様、そして蛍子の正体は何なのか、といった見どころ満載なこちらの漫画は、「このマンガがすごい2014 オンナ版」第2位作品です。


クールな黒髪美女の転校生蛍子(ほたるこ)

これが伝統芸能“おわら”

地元の人間でもない蛍子が、なぜか完璧に踊れてしまう

佐伯くんとちょっといい感じに

しかし蛍子は、まさか佐伯くんの叔父さんとワケアリです
(C)小玉ユキ/小学館