暴力団への潜入捜査! 命じられたのはバカでスケベな落ちこぼれ警官!?

公開日:2013/12/24

土竜の唄(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:高橋のぼる 価格:432円

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「木を隠すなら森の中」というのに、「暴力団の中にバカ警官」が隠しきれるわけがないだろう。広域暴力団に潜入捜査を行なう物語といえば、危険がつきものだが、この物語の主人公はとんでもなく頭が悪い。バカでスケベな彼がなぜ生き残れるのか、話が進めば進むほどに不思議で仕方がないが、そんな彼の悪運の強さに読者は何故だか惹き付けられるだろう。あの強靭な精神力と優れた洞察力、並外れた危機回避能力は一体何処から沸き上がるのだろうか。

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高橋のぼる著『土竜の唄』は「週刊ビックコミックスピリッツ」で連載中のコミック累計350万部を誇る人気漫画。2014年2月には三池崇史が監督、宮藤官九郎が脚本、生田斗真主演で映画が公開される超話題作だ。警察学校を史上最低の点数で卒業、月間始末書枚数ワースト記録樹立という経歴を持つバカ丸出し・ドスケベ警官の潜入捜査をコミカルかつスリリングに描き出している。

主人公は、谷袋署百観音前交番に勤務する若手の高卒巡査、菊川怜二。女好きのエロ巡査と町中で噂されるが、揺ぎない正義感を持った熱い男だ。問題児の彼は万引き少女に過剰な身体検査をしたコンビニ店長に対して拳銃を向けたということで、この日も署長から呼び出しを受けた。こってりと油を絞られると思っていた怜二。ところが署長は、懲戒免職を言い渡すと同時に、日本一凶暴なヤクザ・数寄矢会への潜入捜査を命じた。怜二に暴力団組織を壊滅させることは出来るのか?暴力沙汰から色仕掛けまで、ありとあらゆるピンチを乗り越え任務を果たそうとする怜二のアツい姿を描き出す。

暴力団に潜入捜査という次の展開が予想出来ないスリル感溢れる展開の中で怜二の間抜けな様子に思わず笑ってしまう。疾走する車のボンネットに全裸ではりつけにされたり、ボコボコに殴られた末に拳銃を向けられたりするが、怜二は「マブい車に乗りたかったなあ…」なんて吞気なことを考えている。しまいには、「童貞のまま死にたくねえ!」と自分を奮い立たせて、ヤクザに気に入られてしまうのだから、怜二は不思議な能力の持ち主だ。

「ヤクザってのは面白くなきゃいけねぇんだ」。個性的な周りのヤクザ達も怜二の活躍をひきたたせる。この男臭い1冊は、男性だけでなく、女性にも読んでほしい。


潜入捜査官に急に命じられる(1巻)

だが、捜査は困難続き(1巻)

危機に瀕しても浮かぶのは車や女のこと(2巻)

女性について考えると不思議と力が湧いてきて…(2巻)

他のキャラクターも強烈だ(2巻)
(C)高橋のぼる/小学館