新年。何かを始めたいけど、始められない人は、この本を読むことを始めよう

公開日:2014/1/2

始める力

ハード : iPhone/iPad/Android 発売元 : 幻冬舎
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:Kindleストア
著者名:石田淳 価格:※ストアでご確認ください

※最新の価格はストアでご確認ください。

新しい年が始まりました。去年よりも今年をいい年にするために、もっと自分を成長させるために、楽しい日々をおくるために、皆さん、いろいろな思いで新年を迎えているのではないでしょうか。

そして、ダイエット、マラソン、勉強、英会話、禁煙、新しい趣味探し…などなど。「今年こそ何か新しいことを始めたい」「去年できなかったアレに今年はチャレンジしたい」と、密かに熱き思いを抱いているのではと思います。

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しかし、そんな思いも、一晩経つと薄らいでいき、休み明けで仕事や学校が始まるとどこへやら、また長い間、気持ちの奥底にしまわれてしまうという人も少なくありません。

だからこそ、この正月休みに1冊の本を読んでいただきたい。それが『始める力』(石田淳/幻冬舎)です。

著者の石川淳氏は行動科学マネジメントの専門家。行動科学マネジメントとは、行動分析学をベースに、人間の行動原理に立脚した科学的マネジメント手法のこと。性格や個体差に関係なく、いつ、どこで、誰がやっても同様の結果が得られ、再現性の高いメソッドなのだそうです。そして本書はそんな行動科学マネジメントをもとに、「始める」ためのアドバイスしてくれる1冊なのです。

本書から「始める」ためのアドバイスを紹介しましょう。

■始められない理由
そもそも、なぜ始められないのでしょうか? その理由のひとつは「認知のゆがみ」だといいます。人間の頭のなかでは1日に7万回もの言葉が、目の前の出来事とは関係なく流れているそうです。そのマインドトークのほとんどは、たいていがネガティブなもの。つまらない、心配、まずい…、感じ悪いな…、など、それらの妄想とも呼ぶべきゆがんだ認知が、現実の行動を邪魔してしまうのです。

「新しいことを始めても意味がない」
「私にはできるわけがない」
「ろくな結果が出るわけがない」

何か始めようとした時に、こんな言葉が頭をよぎることは、誰にでもありますよね。

■始めるための心構え
では、始めるためには、どのような考え方をすればいいのでしょう。

・極める時間など誰にもない。中途半端だって、やった分だけ差がつく
・始めることは、それだけで人生に確実なプラスをもたらす
・面白いかつまらないかは、実際にやってみないと分からない
・始めたことをやめてもいい
・「できなかった」とわかることも、一つの進化

このような言葉が本書には並んでいます。まさに、納得。でも、こういう考えには行き着くものの、まだ「始められない」「始めても続かない」と嘆く声が聞こえてきそうです。どうすればいいのか、ちゃんとその方法が用意されています。

■始めるための具体的な方法
始めるため、続けるための具体的な方法の一部として、次のようなものが挙げられます。

(1)徹底的に「行動分解」をすること。小さい行動に分解すればするほど、だれでもその行動が取りやすくなるそうです。例えば、「マラソンを始める」なら「書店で専門書を買う」「スポーツ用品店に行ってみる」「経験者に話を聞く」「インターネットで情報を集める」など。「ダイエットする」なら、「1日2回体重計にのる」「専門書を読んでトレーニングのメニューを作る」など。ポイントは曖昧さを徹底的に排除することです。

(2)そして、これは心構えでもありますが、始めるに当たって、できそうだという気持ちで臨むこと。この気持ちは、専門用語で「自己効力感」というそうで、これをいかに高められるかがカギ。自己効力感を持っていれば、気分よく始められ、それがいい結果につながるというプラスのスパイラルを生み出します。自己効力感を高めるには、「成功体験を積む」「他人がやってできた様子を見て自分もできそうと感じる」「誰かに“あなたならできる”と言われる」「気持ちのいい状態でやる」という4つがポイント。

つまるところ、前向きな気持ちで始めること、小さい行動をコツコツとクリアすることが重要だということでしょうか。他にも…、

(3)背伸びした目標は捨てて、半分の力でできることを続ける

(4)ポジティブな結果をすぐに確かなかたちで手に入れられるようにする。これは、大きな目標達成とは別に、小さなちょっと違うご褒美を自分に与えてあげるということ。何か資格試験のための勉強を続けるために、1時間勉強を続けたら、仕事帰りにちょっと高いビールを買うなどの小さなご褒美を与えるといったことです(この場合、本来の大きなご褒美・目標は資格試験に合格すること)。

本書には上記以外にも「書き出してメリットの確認」「仲間をつくる」「ライバル行動を封じ込める」など、さまざまな「始める」「続ける」テクニックが紹介されています。

同じ24時間365日を過ごすなら、何もしないよりはしたほうがマシ。ということで、始めることが不安な方は、まずはこの一冊を読むことを始めてみてはいかがでしょうか。


続けることを意識しすぎると、なかなか始められません。途中でやめてもいい、そう思うことが大事

中途半端だって、やらないよりはマシだということ

繰り返しますが、やってみることがとても大事なのです

世界一過酷と言われる「サハラマラソン」を完走した著者ですが、その始めは「週に2回、30分ずつ歩く」ことだったそうです

本書第4章には「始める」ための17のヒントが列挙されています