2014年ハリウッド映画化! 出撃と戦死がループするSFラノベ!

ライトノベル

更新日:2015/9/29

All You Need Is Kill

ハード : PC/Android 発売元 : 集英社
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:桜坂洋 価格:462円

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もし、私達の毎日が単調に見えたとしても、つまらない日々がエンドレスリピートして見えたとしても、私達の毎日にはどの日にもちゃんと個性がある。だが、同じ日がただ永遠と繰り返し続ける世界もある。「ゲームオーバー」になっても、目が覚めれば元通り。何度瀕死になっても戦いが終わることはないし、逃げ出すことも出来ない。この物語の主人公はゲームのような世界に捕われた犠牲者だ。

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桜坂洋著『All Need Is Kill』は2004年に発行されたSFテイストのライトノベルだ。2014年1月9日発売のヤングジャンプで小畑健によるコミカライズ版の連載が開始される他、ハリウッド映画化も決定! 本作を基とした映画「Edge of Tomorrow」がトムクルーズ主演で2014年6月に公開されるというのだから、読まずにはいられない!

主人公は、異星人が送り込んだロボット「ギタイ」と戦う統合防疫軍に入隊したキリヤ・ケイジ。初年兵の彼は初出撃で敢えなく死亡したはずだが、意識を取り戻すと何故か出撃前日の朝に戻ってしまっていた。何度死んでも出撃前日へと戻る怪奇現象に苦しめられるキリヤ。次第に彼はこのループから逃れるためには、自らの能力を磨いてギタイを壊滅させるしかないと悟り始める。キリヤは一体どうなってしまうのか?少年の成長と、その運命を描き出す。

ゲームオーバーの度にやり直せる世界なら、いくら失敗しても良いのだから気楽だろうと思いきや、キリヤは激しい苦悩に襲われる極めて孤独な存在だ。何度も死の恐怖、痛みと戦い、それを誰とも分かち合うことが出来ない。せっかく上手く行っていた戦いも最愛の人との関係も、何かをしくじれば、周りは全てリセットされ、自分だけが意識を持ったままループし続ける。時に絶望して自殺を謀ることもあるが、気付けば、また元の場所にいる。やがて、キリヤは効率的に自分の力を鍛えるにはどうすればいいのか考え始める。ループする度に少しずつ成長し、立派な兵士へと育っていく姿に読者は胸を打たれてしまう。

喘ぎ苦しみながら少しずつ前へと進むキリヤの姿を見ていると、自分は1日を無駄に過ごしているのではないか、と反省させられるだろう。キリヤは運でも才能でもなく、自分の命を賭けてスキルを磨いていく。キリヤは何故戦い続けねばならないのだろうか。戦いの果てに彼が見るのはどんな景色なのだろうか。戦い続ける全ての人に読んでほしい1冊。


絵を見るだけでワクワクさせられる

初年兵のキリヤ

ループから抜け出そうと戦場から逃げ出しても敵は迫ってくる

リタもループに苦しめられた経験があった

リタとともに戦うキリヤ。彼らの戦いの果てにあるものとは?