斎藤孝先生が伝授、デキる人の「言い方」の極意とは!?

更新日:2015/9/29

結局、仕事は「言い方」しだい (角川フォレスタ)

ハード : iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA 角川学芸出版
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著者名:齋藤孝 価格:※ストアでご確認ください

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社会人として仕事をしていて「大切なのは、いざというときの物の言いようなんだなあ」と、痛感した経験はないでしょうか。

人は隠していても、自分が発する言葉に案外本音が出てしまうものです。たとえば書類の書き直しを命じられて「すみません。先輩の指示どおりにやったんですけど」と申し開きしたとき。

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あやまりつつも、「けど」というワードに、その人の不満な気持ちが出てしまっている。忙しいときに受信したややこしいクレームメールの返信時などは特に要注意。率直な返事を書いて十分に読み返さず、サクリと返してしまうと、あとで読み返して「ヤバッ!」と身もだえすることにもなりかねません。

この本を書かれた斎藤先生は、まだ社会人経験の浅いビジネスマンたちに向けて、冒頭で3つの注意をあげています。

・なんでも正直に言えばいいってもんじゃない
・うまく隠したつもりでも、あなたの「心の声」は上司には聞こえている
・能力や実績よりも「こいつ、いいヤツ」と思われるほうが成功する

そして、いいヤツとは「相手がカチンとくる言葉」を言わず、状況に応じて言葉を柔軟に使い分けられる人であると続けます。よかれと思って言った言葉も、正直に話した言葉も、その場のシチュエーションと、相手との関係性によっては「カチンとくる言葉」に変わってしまう。自ら地雷を踏まないため、本書では「意見」「報告」「確認」「交渉」など、職場で直面しがちな7つのシーン別に、関係性と状況に合わせた適切な「言い方」について、子細に解説しています。

たとえば、上司に「意見」を求められたとき。「ワタシ的には、いいと思います」という言い方は、カチンとさせてしまうのでアウト!「私的」と言う言葉は自分が強調されてしまうので、「そんなにも尊重すべき “私”って、いったい何様なんだよ!」とイラッとさせてしまうのです。この場合は「個人的な見解ですが、いいと思います」がgoodとされています。

また「確認」の章では、ダメ出しされた場合の受け身の練習について書かれています。問題がないと思って見せた企画書に、上司から意外な指摘をされたら「えっ、そこですか」ではアウト。まず現状を見極めて、ダメ出しの改善策を自分から提案してみる。この場合のgoodな言い方は「○○を△△にするといいということでしょうか」。

各セオリーの詳細は本書を読んでいただくとして、意外に便利なのがPART9の「誤用例」。敬語の間違いや誤りフレーズが上げられていて、こちらも非常に参考になります。

斎藤先生曰く、「仕事をしていく上で何よりも大切なこと、それはコミュニケーションです。仕事は、実は人の心と心の間で成り立つもの。たとえ相手に非があるケースでも“自分に責任があるかもしれない”と思いながら対応するだけで、“この人と仕事がしたい”と思われるようになるものなのです」とのこと。

コミュニケーションスキルの向上は、1日にしてならず。職場に限らず、自分のコミュニケーションの応用力を高めるために、この本を手元におき、何かあったら読み返すなど、辞書的に活用してみてはどうでしょうか。


「自分なりにがんばった」。確かにそうかもしれません。でも仕事は努力目標ではなく、成果目標であるべき。努力内容を具体的に伝えないと、幼稚な印象を与えて損をしてしまいます。

「今度やっときます」とあいまいに答えるのと「今週中にやります」と期限付きで答えるのと、どちらが信頼されるか、明白ですよね。自分自身で仕事の期限を設ける勇気が大切。

「お飲物はよろしいでしょうか」と聞くと、相手に気を使わせてしまうことに。もともと遠慮深い日本人は、この手の問いかけにYESといいづらいものだからです。