考えずに使っている、その言葉が危ない!

公開日:2014/1/19

ビジネスを蝕む 思考停止ワード44 (アスキー新書)

ハード : iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA アスキー・メディアワークス
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マーケティングの世界=経済の世界と思っていたら大間違い。マーケティングは様々なジャンルにまたがっているもの。近くには心理学や、ともすれば形而上学的な分野まで足を踏み入れうる世界なのでは。この1冊を読んで、言葉の使い方一つがいかに私たちの思考を狭めているのかというのを痛感。私は頭がまるきり文系で経済人ではないので、なにかこう、スピリチュアルなジャンルの話のようにも受け取りました。

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確かに、憧れます。会社の企画会議など。新しいアイディアをいかにプレゼンするか、どきどきする作業なはず。そこで相手を説得し、まだ目に見えないプランをいかに信用してもらい、実現に移して行くか。それこそ、経済活動をしている中でもダイナミックで最もクリエイティブな段階でしょう。ところがプレゼンに使う言葉のあちこちに気がつかない地雷が隠れている。ビジネスの上でどんな言葉を使うと「思考停止」を相手にも、自分にも招いてしまうのか。その着眼点自体が非常に新鮮です。

  
                

そもそも著者は博報堂ブランドデザイン代表。数々の製品や企画を世に生み出すその瞬間を逐一観察してきた人なのでしょう。著者はたとえば「景気の踊り場」「時間がない」「一般的」「つかえない」「ターゲット」など、漢字系/ひらがな系/カタカナ系に分類してこうした言葉を使うときの心理状態を読み、使われた側の反応を分析し、その状態からは前に向かってアイディアや解決法が出てこないということを指摘してゆきます。経済的活動を発展させてきた仕事人の立場からの発言なので、大変説得力あり。

読み物としてもビジネス指南書としても非常におもしろい。おすすめです。


かりにこれらの言葉を完全に使わずに1日過ごせるかしら

なんだか響きがよいけれど、責任転嫁の始まりがここに

カタカナが多いとかっこよく見えていた時代は今や昔