行ってみたい! ペンギンが闊歩する大学でのまったり日常、時々事件

公開日:2014/1/20

椎名くんの鳥獣百科 1巻

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : マッグガーデン
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:十月士也 価格:432円

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無口・むっつり・無表情の3M男子にかわいらしい動物がまとわりついている、という姿は萌えるものだ。かわいらしい動物を前に頑なな表情が緩み、でれんとなっている姿もいいが、あくまでクールな態度を崩さずに甲斐甲斐しく動物たちの世話を焼いている姿もいとおかし。実は動物が苦手で、眉を八の字にしながらじりじり逃げる(そしてなぜか動物たちに追いかけられてしまう)、というシチュエーションもオツなものだ。なにはともあれ、男子×かわいい小動物、という組み合わせの中には無限の萌えの可能性が潜んでいる。

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さて、「男子×かわいい小動物」の小動物のほう、ペンギンである。山裾大学という、大学なのになぜか学内をペンギンやペリカンが闊歩している、ちょっと変わった大学で飼育されているペンギンである。花准教授という、線が細く虚弱体質な教授のあとを、カルガモの親子よろしくヨチヨチついていく、なんとも愛くるしいペンギンたちである。

そして3M男子である。花准教授の幼なじみで、彼との幼い日の約束を律儀に守り続け「動物はかせ」になろうと日々努力している、そしてかなり生活力に乏しい花准教授の世話をおかんのように焼き、仕事はあくまで完璧にこなす助教授の椎名くんである。

動物が闊歩する学内は、とても平和でのどかそのものな光景だが、人間たちの世界はそう平和でのどかというわけでもなく、しょっちゅう何かしらの事件が起こっていたりする。研究資金がどうの、次の学長選挙がどうのだの、時折不穏な空気すら漂ってくる。

そんな人間たちの不穏さはどこ吹く風で、ペンギンたちはコマのすみっこにちょこんといたりする。シリアスな話をしているその横で、実に好き勝手に行動している。ものすごく不穏な会話をしている人間たちを、つぶらな瞳でじいっと見つめていたりする。

不穏な空気が漂おうとも、ペンギンたちがのんきに学内を闊歩しているあの山裾大学は、きっといい学び舎なのだろう。そしてそんな動物たちを無愛想ながらも慈しみ、日々「動物はかせ」になるために努力を続ける椎名くんはとてもカッコ良い。

なんだかペンギンに会いに、水族館に行きたくなっちゃったよ。


もやしっ子とおかんとペンギン。コマの隅っこにいてもわかるペンギンの愛らしさよ

花准教授と椎名くんとは、椎名くんが小学生のころからの幼なじみ。椎名くんあんまり変わってない

椎名くんはすごい初志貫徹なんである。一途な男子はかっこい

ペリカンとペンギンの共演が目の前で見れる大学は山裾大学だけ!(たぶん)