ホリエモンにとっては“刑務所”もネタのひとつに過ぎなかったか

小説・エッセイ

更新日:2018/10/24

刑務所わず。 塀の中では言えないホントの話

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著者名:堀江貴文 価格:※ストアでご確認ください

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ホリエモンの実刑判決2年6ヵ月。その当時の様子をつづった『刑務所なう』『刑務所なう、シーズン2』の続刊。出所したからこそ言えるホリエモンの刑務所生活のホントの話を詰めた1冊です。

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ホリエモンはいったい檻の中で、何をして何を考え、どうなって出所したのか。そんな興味から手にとった1冊でしたが、読後は「なんだ~やっぱりホリエモンなんじゃん」というライトな感覚に終始一貫。もっとストイックな言葉も出てくるかと思いきや、刑務所内の人物と行動をひたすらに観察し、己の苛酷な生活をつづるのが中心。彼のテイストは全く反省がないような、果たして刑務所生活も、ネタの一部として利用しているような感覚さえ漂ってきて、まじめな人にはむっとくるような内容かも?

でも、実際、罪を犯したから実刑判決を受けるという感覚が、塀の中ではないのだとか。まさに「懲りない面々」なのです。高齢者や障害のある人たちの世話をしていたホリエモン。汚物を掃除するホリエモン。理不尽な言いがかりで怒鳴られるホリエモン…。刑務所は暗く寒く辛く悲しい場所のはずなのに、彼が描くとネットでイメージ検索するような気軽さ。いえ、頭のよい彼のことだから、そう見えるように装って、実は激しく人格矯正して出て来たのかも?

本当の心の内や葛藤などはわざと触れていない印象さえ受ける、客観性はある意味見事です。刑務所内での内省があったのかなかったのかは謎。生活に困って犯罪を起こして刑務所に入った人とは明らかに違う余裕の観察眼です。人生ゼロ地点に立ったというけれど。出所祝いを仲間と寿司で楽しめる身分の人の刑務所の意義とはなんだろう、とふと考えさせられました。ご本人、すでにムショ生活の一部など忘れつつあるとおっしゃっています。私は苦手なタイプですが、ホリエモン度は高い1冊。


入っても出てもいちいちメディア的なホリエモン

億をたやすく稼いでいた人にとって、こういう作業はやはり人一倍大変なのでしょうか

マンガもところどころに挿入されてライトな感覚がUP