イスとセックス? 文化庁に選ばれたカレー沢薫のやばいマンガ
公開日:2014/2/22
『クレムリン』『バイトのコーメイくん』など次々と問題作を生み出すカレー沢薫。最近ではその卓越した言語センスで綴ったエッセイ『負ける技術』が(主にリア充を憎む者達に)大ヒットし、その技量を見込まれ、とうとうジャーナリズム誌からもお呼びがかかるまでになった“負けのパイオニア“である。
そんなカレー沢氏が昨年物議を醸したのがギャグマンガ『アンモラル・カスタマイズZ』である。実はこのマンガ、他の錚々たる作品群に並んで、「第17回文化庁メディア芸術祭」の審査委員会推薦作品に選ばれたのだ。そんな崇高な作品なのか? と思いきや、ファンの間では「主人公がイスとセックスするマンガ」でお馴染みだったので誰もがその推薦に驚いた。読者はもちろん、作者も担当編集者までも「なぜ選ばれたのかわからない」と、とりあえず半信半疑のお祭り騒ぎになった。
あらすじはこうだ。風俗雑誌などを出版する「グリズリー出版」(「ホモと童貞しかいない」と噂される会社)が新しく「スイーツ女子」に目をつけ、OL世代へ向けたファッション誌『カスタマイズ』を創刊することに。その編集者として選ばれたのはスイーツ女子を憎むゲス男、イタい芸術センスの女と付き合っている優男、女子力ゼロの平凡女、そしてなぜかムササビ。
世間のファッション誌によくあるスイーツな風潮などをディスりながら、意識高い女子およびリア充を徹底的に糾弾する。ただ他のディスりと違うところは、ブスまで徹底的にディスるところである。もう何者も許さない。
そんな登場人物たちが謎のラブコメ要素も含みつつ、なぜイスとセックスするかに至ったかは是非その目で確かめてほしい。スイーツとリア充とブス…とにかく全員許せない!と考えて生きている人間にはお誂え向きの1冊。
華々しさとは程遠い出版社…
モテないやつの心の叫びまで代弁してくれます
おそるべし女子の生態…
イケメンにも容赦なし!
(C)カレー沢薫/太田出版