剣道とは違う! 「なぎなた」で高校部活界のアメリカンドリームを手につかめ

公開日:2014/3/8

あさひなぐ(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 小学館
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:こざき亜衣 価格:432円

※最新の価格はストアでご確認ください。

 2013年度からスタートした公立中学校の武道必修化。設備や経費、指導者確保の面などから柔道、次いで剣道を選択する学校が多いのですが、地域や学校の特色から弓道、合気道などを選択する場合もあります。挙げられるさまざまな武道の中で、個人的に興味がひかれたのは、薙刀。「なぎとう」ではなく「なぎなた」と読みます。剣道と共通する部分がありますが、競技人口が少なく…いわゆるマニアックで、武器に特徴があり、試合時のビジュアルが映えます(とくに女子の場合)。

 そんな薙刀を題材にした人気スポ根コミック『あさひなぐ』がついに電子化。気弱な文化系女子・東島旭(とうじま・あさひ)が、高校に入学し、あれよあれよと入部させられることになってしまった薙刀部での汗と青春を、画面でクリアに読むことができます。

advertisement

 中学のとき、美術部に所属していた旭は、絵に描いたような運動音痴でスポーツに縁がありません。薙刀を「なぎとう」と読み違えるくらい、薙刀に関してもド素人。読者は旭の目を通して、薙刀の魅力を知ることができます。

装束こそ剣道と大差がない薙刀ですが、大きな違いは武器とルールにあります。「薙(なぎ)倒す」という言葉があるように、長い柄に取り付けられた曲線の刃で、ナナメから相手をなぎ払うさまが、豪快にして可憐。また、剣道とは違い「スネ」を打てることから、多彩な攻防が生み出されます。そして、競技人口が少ないがゆえに、才能と練習次第で全国のスター選手になれる可能性があるという、いわば高校部活界での「アメリカンドリーム」を手にすることも夢ではありません。

 このように言いくるめられ、「自分が生まれ変わる場は薙刀しかない」と思い込む旭は、生来の根性と執念だけで、夢を現実のものにしていきます。これまでに見たことがないスポーツで青春を味わいたいなら、ぜひ。


ドジで運動音痴な東島旭

部活動オリエンテーションで、薙刀部の実演に見入る

スネを打ってアメリカンドリームを手につかめ!
(C)こざき亜衣/小学館