生きるためにヒトを喰う。それは悪なのか!?
更新日:2015/9/29
みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。ホルモンの美味さに最近やっと気がついた中國卓郎です。さてさて、やたらと肉を食べまくるマンガがあったとしたら、それはきっと高確率でグルメマンガでしょう。では、やたらと人間の肉=人肉を食べまくるマンガがあったとしたらそれはナニマンガなのだろう? あ、ちなみに人肉を食べる者達は“巨人”ではなく普通サイズですから! と一応言っておかないとアレかなぁ…なんて事はともかく!
「喰種」と書いて「グール」。普段は人間と全く変わらぬ姿をしている彼らの主食は人間であり人間以外の食物は(唯一の例外はあるものの)食べられない。従って喰種は自らが生きるために人を喰うのです。ニンゲンVSグールなこの世界で主人公の金木研は普通(人間)の大学生でした。ところがある事故がきっかけで人間と喰種のハーフ&ハーフになってしまいます。今までの食事は身体が受け付けず、かと言って人肉なんて絶対に食べたくない。しかし食べなければ主人公が餓死してあっと言う間に最終回になっちゃいます。
彼は命も心もギリギリの境界線を彷徨いながら仲間と呼べるグール達と出会い、そしてグールを虫けらのごとく忌み嫌い排除する人間達とも出会います。どちらが善でもどちらが悪でもなく、それはただ生きるための捕食であり捕食されないための防衛です。ですから人間も種喰も、残虐だったり変態だったりイッちゃってたりと濃厚にブッ飛んだキャラが目白押しなために「人間も種喰も悪人だらけじゃねぇか!」なんて錯覚してしまいがちですが、生きる事こそが善でありそのための行為もまた等しく善なのです…なにやら禅問答みたくなりましたが本当は非常にシンプルな問題でして、要するに本書の登場人物達は誰もみな等しく自分を悪と思ってません。とっても(ある意味)真っ直ぐで(自分に)素直なのです! そしてここに“第三の勢力”が加わり巻が進むにつれて物語は深みと痛みと面白みを加速していきます。この後の展開、ひいては結末=決着のつけ方が非常に気になる作品です! って気の早過ぎる話ではありますが…。
霧島トーカ。グールである彼女もまた深い闇を抱えている
食べる“ふり”…それは人間社会で暮らすグールがまず覚えること
悪人じゃございません! 正義の味方…と言うか人間の味方
悪人じゃございません! ただの変態(グール)です色々な意味で
人間でありグールでもある彼にしか出来ない事、それは…