おいしいごはんをおうちで食べよう。料理男子・カモくんと仲間たちの日々

更新日:2014/4/14

おうちでごはん (1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 竹書房
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:スズキユカ 価格:700円

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 美味しいものを知っている人は正義だ、と私は常々公言してはばからない。それは「美味しい料理の作り方を知っている人」でもいいし、「美味しい料理を出す店を知っている人」でもいい。はたまた「ちょっとしたひと工夫でものすごく美味しくなる術を知っている人」「ある食物の美味しい食べ方を知っている人」でも構わない。とにかく、美味しいものは正義であり、その美味しいものを何らかのかたちで提供することができる人、というのは私にとっては正義の味方だ。その持論をもって語ると、このマンガの主人公のカモくんは、とてつもないスーパーヒーローなのである。

 カモくんは「フラッツなのはな」でひとり暮らし中の大学生だ。彼は毎日のように自炊をし、たまにフラッツなのはなに住む友人たちを招いたり、カモくんが招かなくても友人たちが勝手に来たりして、ひとり暮らしなのにわいわいと賑やかな食卓を囲んでいる。

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 生きるためには栄養を摂取しなければいけない。そして、その栄養を摂取するために人は「ごはんを食べる」という行為を選択した。あまりにそれを普通に、日常に行っているからこそ私たちは忘れがちだが、栄養を摂取しなければ私たちは生きてはいられない。

 「おかーさん私今日遅刻しそうだから朝ごはんいらなーい!」と叫んで家を飛び出すときに、私たちはひとつ、生きることを放棄したのだとも言える。おいしいごはんとは、ともすれば単調になりがちな「食べる」という行為に喜びと驚きを与える魔法みたいなものなのだ。

 食べることに貪欲なカモくんは、生きることに貪欲。「これはどう料理したら美味しく食べられるだろうか」と模索するカモくんは、食べ物を美味しく生かす無限の可能性を、つまり生きることの無限の可能性を知っている。みんなで囲む食卓の楽しさを知っているカモくんは、みんなで一緒に生きる喜びを知っている。

 このマンガに出てくる美味しそうな料理に生唾を飲み込みながら私は、ああ私もカモくんのようになりたい、というかカモくんのような友達とか彼氏がほしい、と切に願ってやまないのだ。

 それはさておいて、ああ、おなかがすいた。


「またかよ鴨川ー」と言われているが、毎日ごはんを作ってくれる隣人とか超うらやましいぞ

実は自炊歴はそんなに長くないカモくん。「うまい」と言われた後のしたり顔がかわいい

これからは割烹着男子の時代(確信)

フラッツなのはなの住人のひとり、イケメン瓜沢さんと彼が愛してやまないカメ

フラッツなのはなの住人のひとり、アネゴ系編集者の夏実さん

フラッツなのはなの住人のひとり、遠藤さん。この人もカモくんとは別のジャンルの料理男子