主人公はイケメン料理男子! 美味しい料理が家族の絆を強める!

更新日:2014/4/14

銀のスプーン(1)

ハード : iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:Kindleストア
著者名:小沢真理 価格:※ストアでご確認ください

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 毎日同じ料理を囲み、同じ家で過ごして同じように眠れば、身体に流れる血は同じにならなくとも深いつながりが生まれる。科学的根拠のない「家族」という言葉はなんとなく心もとなく感じられるが、一緒に過ごした日々は人を絶対裏切らない。積み上げてきた時間は信じられないほど、強い絆を紡ぎつづけるだろう。

 小沢真理氏著『銀のスプーン』はイケメン料理男子を主人公とした作品だ。主人公が家族のために料理を作る中で、家族の絆とは何かを見つめ続ける。ほのぼのとした世界の中で時折起こるシリアスな展開がほどよいスパイスとなっている。

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 主人公の律は、受験間近の高校3年生。中学1年生と小学6年生の弟妹はまだまだ幼くワガママばかりだが、父の葬儀の後、母が入院してしまった。同級生の夕子に料理のアドバイスをもらいながら、弟妹の食事を用意していくうちに、次第に料理に目覚めていく律。だが、母の退院の日、ふとしたことから自分が養子だということを知った彼は家に寄り付かなくなってしまう。どのような経緯で律は養子となったのか?本当の母親はどんな人なのか?友人の励ましや家族との思い出が律を次第に癒していく。

 律は顔も性格もよく、弟妹の面倒見も良い。おまけに料理もできるという完璧な高校生だ。反抗期もなかった律だが、自分が養子であることを知って始めて、家族との距離を置こうとし、得意だった料理もしなくなってしまう。だが、大量に卵を割ってしまった弟からのメールに、徐々に普段の律らしさを取り戻していく。美味しい料理を食べてきた日々は裏切らない。血のつながり云々は関係なく、彼らは家族そのものなのだ。

 地味でおとなしい同級生・夕子との関係も気になる。漫画研究会に所属する彼女は男性教師同士とのBL漫画を執筆するなど、オタクであることに違いないが、料理のアドバイスを通じて律と親しくなっていく。高校卒業後、夕子は専門学校で漫画を学ぶことになるが、律の関係はどう発展していくのだろうか。

 各話に登場する料理の調理のコツやレシピなども紹介されており、思わず、料理が作りたくなってしまう。料理を学ぶこともできるほのぼのとしたこの作品は、全ての人に読んでほしい温かい1冊だ。


父親の死後、入院することとなった母親(1巻)

料理ができない律は夕子に教わりながら弟妹のために料理を少しずつ覚えていく(1巻)

やんちゃな弟妹とともに楽しく料理をしていく律(1巻)

母のこともあり、進学をしないというと、親戚から驚きの事実を知らされる(2巻)

家族と距離を置いていた律に弟からメールが届く(2巻)

作品内に登場したレシピも載せられていて思わず料理がしたくなってしまう(2巻)