日中両方の言葉と文化、習慣に通じた著者が、中国人とつきあうコツを伝授

小説・エッセイ

更新日:2012/1/20

中国人と日本人

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 中央公論新社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:邱永漢 価格:486円

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中国人ほど近くて遠い人たちはいない。
ニューヨークには中国人が多いので友達にも数人いるが、中国人には、会ってすぐに中学や高校時代の友達に久々に会ったような懐かしさを覚えることが多い。いわゆる白人や黒人の場合は、なかなかそこまでの共感を一気に感じることはないのだが。

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ところが、何かの拍子に垣間見える彼らの価値観やものの見方などに、「ああ、やっぱり日本人とは全くちがう」と、遠く感じるのもまた事実で、そういうときは、むしろヨーロッパ系の人たちの方がずっと近くに感じる。
そんな、近くて遠い中国人、友達になれそうで、なかなか本心が測りにくい中国人の、価値観、お金や商売、政治に対する考え方などをわかりやすく解説しているのがこの本。
日本語と中国語の両方が堪能で、どちらの文化や生活習慣、商習慣にも通じている著者は、日本人が職人だとすると、中国人は大阪商人よりもさらに手強い商人であると言っている。
長い歴史の中で、為政者が代わる度に辛酸をなめさせられてきた中国人にとって、信じられるのはお金と家族・親戚、親しい友人だけ。そこを理解して中国人とつきあえと。
これから中国人と接する機会は否応なく増えていく。20年間も前に書かれた本なのでいささか内容が古いが、今日でも十分役に立つと思う。
中国人理解のための入門書としてお勧めしたい。

目次を見ただけでも、中国人と日本人の違いが見えてくるようだ

世界一貯蓄高が大きいのは日本人だと思っていませんか?なんと、台湾の貯蓄高は最も高いときで年収の38%だったそうだ。これに対して日本人の貯蓄高は11%