知っているようであまり知らない、気遣いの達人“バーテンダー”の極意とは

公開日:2014/5/2

バーテンダー 1

ハード : PC/Android 発売元 : 集英社
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:城アラキ 価格:500円

※最新の価格はストアでご確認ください。

 バーテンダー? お酒をカシャカシャ振って出す以外にどんな仕事があるんだろう、なんて思っていた我が目が節穴でした! バーテンダーはカクテルを作るだけの人間ではあらず。1日の疲れを癒したい人、悩みを抱えた人。様々な思いを抱えた人が、もっとも求めているお酒を対話の中で探り当ててそっと差し出す。観察眼と優しさとひらめきを兼ね備えなければ務まらない、とても大変なお仕事だったのです。

 佐々倉 溜(ささくらりゅう)は天才バーテンダー。彼の作るカクテルは“神のグラス”と呼ばれ、パリの有名高級ホテルでチーフバーテンダーを務めていましたが、このたび帰国。東京に帰り入ったバーで、来島美和(くるしま みわ)と出会います。彼女は新しくオープンするホテルのバー部門に所属しており、上司の神嶋の「バーテンの技術に頼ったバーなど古い」という意見に不満を持っていました。どうにかしてバーテンダー選びの重要さをわかってほしい彼女は、半ば強引に佐々倉を説き伏せ、バーテンダーの実技試験に佐々倉を引っ張り出します。「意地悪なお客様」を想定した注文をする神嶋に、集められたバーテンダーは思うように実力を発揮しきれません。

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 そんな中、佐々倉が彼のために作ったのは「水割り」。ウイスキー会社が売上を伸ばすためだけに考えた飲み方だ、と神嶋は激怒し佐々倉を追い出します。しかし嘲笑まじりにその水割りを飲むと表情が一変、それは彼が今までに飲んだことのないほど美味しい水割りでした。なんと佐々倉は袖の汚れから神嶋の日々の疲れと寝酒を察し、舌が荒れていることを推測してアルコール度数を調節していたのです。バーに最も必要なのは人を思いやる心だと納得し、彼は佐々倉に新しいホテルのバーテンダーを任せたがるも…

 バーテンダーとは優しい止まり木という意味、気遣いと優しさと観察力がなければ一流にはなれない、ということがひしひしと伝わる話です。このような形で基本1話完結形式、1巻には7つの話が収録。バーに馴染みのない身ではありながら、バーにいってみたくなる魅力の詰まった1冊でした。今らなBOOKWALKERで5/7までお得! この買い時を逃さずぜひ読んでみてください。


お酒を飲んで開口一番「まずい!」と叫ぶ来島。そんな彼女に佐々倉は同じ酒を差し出して…

「諸君らバーテンには何の期待もしていない」という神嶋。威圧感ばっちりです

今まで飲んだことのない美味しさに驚愕! 神のグラスの実力を魅せつけます