カレー沢薫が描く、ほんわか動物たちに学ぶ黒い時事ネタ?
公開日:2014/5/25
2XXX年、動物が政治を行うようになった日本。それがこの漫画の舞台である。総理大臣はネコ目ネコ科ツシマヤマネコの「ムラヤマ総理」。第一秘書には霊長目ヒト科ヒトの「イトウ」氏。第二秘書にはネコ目イタチ科オコジョの「オブチ」氏。少子化により人類が衰退し動物が実権を握る、でも相変わらず不景気な世を描いたギャグマンガである。
少子高齢化、ひきこもり、薬物問題、果てはツイッター炎上まで色々な議題に独自の視点で切り込む。投票率0%と、国民にも部下にも支持されない中奮闘するムラヤマ総理の傍で、人間のあらゆるサガを滔々と説く第一秘書のイトウ、笑顔の裏で誰よりも下卑た感性を持つオブチ。そこに現れるライバルたちも一癖も二癖もあるキャラばかりだ。
政治がテーマではあるのだが彼らが本編で語るのはゲスなギャグであり、掘り下げてもおそらく思想的に得るものはほとんどないだろう。しかし放っておくとたまに危険な話題スレスレを飛ぼうとするので、猫ちゃん漫画といえど安心できない。
ちなみに文化庁長官であるウナギ目アナゴ科の「チンアナゴ長官」はウェブサイト<Championタップ!>にてスピンオフ『文化庁チンアナゴ長官』を連載中。
誰にも支持されず続投決定のムラヤマ総理
ニートになる仕組みも解説してくれる
政党名に切り込むことも…
番外編「文化庁チンアナゴ長官」も収録