あぁ麗しの少年愛の世界…なんて思って再読してみたら大間違いでした!!
更新日:2012/4/3
トーマの心臓 (上)
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : 小学館 |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:萩尾望都 | 価格:432円 |
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トーマ・ヴェルナーの死、それは愛するユリスモールにフラれてしまった事を悲しんでの自殺だった。そんな噂が飛び交う最中に転校してきたエーリクは、なんと自殺したトーマにそっくりで・・・。ドイツのギムナジウムを舞台に繰り広げられる美しい少年達の愛と葛藤の日々。
なんて大まかに内容を書いちゃうと「耽美な少年愛の物語なんだな~」とだけ思われてなんとなく敬遠されそうだけど、実はそれだけじゃないんです。
というか、私が始めてこの作品を読んだ小学生の時と、再読した今とじゃかなり読み方が変わってしまいました。
これって、実はものすごく宗教的な背景を持った作品だったんですね。そして、トーマの死んだ理由をあらためて理解でき、泣きました。てか深いです!! でもちょっと重いです!!(笑) でも、これぞ人間愛の物語です。
ちなみに一説によると、少年愛の世界というのは、まだ恋というものを知らない少年たちの、本当の恋愛をする為の準備段階、練習期間みたいなものなんだそうです。故に、少年たちの間には性的な欲求というものがなく、だからこそ少年愛の世界はこんなにも純粋でかつ美しい・・・。誰かを愛することの学び舎として、このギムナジウムの日々があるんですねぇ。
母親離れができていなかったかわいいやんちゃなエーリクを始め、少年たちがそれぞれ別れや恋を経験し大人になっていく過程の描かれ方、繊細さは本当にすばらしい。生きること、死ぬことの意味までも考えさせられる、必読、再読すべき名作少女漫画の一つだと思いました。
電子書籍はの良い点は、こんな素敵な世界をポケットにいれて持ち運べ、いつでもどこでも私の大好きなオスカーに会えるところですね。これで雨の日の満員電車も辛くない!!
雪の日のトーマ・ヴェルナーの自殺シーン。冒頭から衝撃的
トーマの遺書は、作品を最後まで読んでもう一度読んでほしいです
ユーリにトーマの真の想いは届くのか・・・届け!!