初対面の転校生から突然の殺害宣告…前世の憎悪が少年を襲う!

公開日:2014/6/3

スピリットサークル / 1

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 少年画報社
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:水上悟志 価格:525円

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 知る人ぞ知る名作、熱い台詞回しが光る『惑星のさみだれ』の、水上悟志先生の新作長編がこちら『スピリットサークル-魂環-』! タイトルから察せられる通り、話のキモは輪廻転生。ひとりの少年がひとりの少女に出会うことによって、現在・過去・未来が入り混じるファンタジーが開幕します。殺したこともあった、殺されたこともあった。2人は過去の人生の中で幾度となく道を交わらせ、対立し、魂に残った傷跡は次の人生でも影響を及ぼし、憎悪と呪いの鼬ごっこ。過去作でいくつか描かれた「境界をこえたつながり」というテーマの下敷きは今回も健在のこの物語、こたびの人生で彼と彼女の因縁の決着は一体どうなるのか…

 桶屋風太(おけや ふうた)は少し霊視ができる以外はいたって普通の中学2年生。視えることを隠していたのに、一目惚れした転校生の石神鉱子(いしがみ こうこ)の背後霊につい返事をしてしまいます。そこから石神の態度が急変。全力でぶん殴られ階段から落ちた風太は自分の前世のひとつを見ます。

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 初めて風太が見た過去生は、フォンという少年の物語。精霊が視えるフォンは、村が8年に一度行う生贄の儀式が無駄なものだと知っていました。生きることをなにより尊び、充実した毎日を送るも、その日常は恋人が生贄に選ばれてから一気に崩れてしまいます。無意味な生贄の儀式が行われるその日、フォンは単身祭壇に乗り込みました。なんとか恋人の元にたどり着くも、すでに恋人は心臓を奪われた後。激昂したフォンは儀式を執行した神官に斬りかかるも、逆に首をはねられて死んでしまい…

 という過去の前世を夢にみて飛び起きた風太は、側に立っていた石神がかつて自分を殺した神官だったことに気づきます。瞳孔をかっ開いて凝視する風太に、石神は「その過去生を最初に思い出すのね。被害者のつもり? この卑怯者」と一刀両断。石神が風太をここまで憎む理由は、あと7つ残された過去生に密接に関わっていて――

 今年の4月に最新刊3巻が発売しているのですが、電子書籍化はまだ1巻だけ。2巻、3巻でも密度の濃さは維持され、面白さはますます盛り上がるばかり。続けて読むと熱くなること必至なので、続刊の早期電子書籍化が待たれるシリーズです。


転校生の石神に見惚れる風太。毒舌に驚きはしても引かないくらいには中学2年生というのは無敵なのです

部活勧誘に乗り気ではない石神に、じゃあ部活はいいから友達にはなろうよと友人一同のいいところをマシンガントークする風太。その様子に、鉄壁だった石神も思わず笑顔に

過去視の終焉、フォンの死に際。精霊の囁く「怖がらないで」「怒らないで」「憎しみは」「次の生を」という言葉がまた…