日本人ならば、是非とも読むべき! 隣国のルーツを知って、日本との関係を考えたくなる1冊

更新日:2011/9/12

韓国人から見た北朝鮮

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : PHP研究所
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:呉善花 価格:650円

※最新の価格はストアでご確認ください。

2010年11月23日。北朝鮮、韓国を砲撃。
  
韓国の延坪島を北朝鮮が砲撃したニュースには衝撃を受けました。この事件で私は隣国のことを考える機会だと感じダウンロードした1冊です。
  
元韓国国籍で、現在は日本に帰化し大学教授を務めている著者が、自身の経験を元に韓国人と日本人の北朝鮮への認識の違い丁寧に説明しています。

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「同一民族だから韓国人は北朝鮮のことが理解できる」と一文で書くと軽く見えるかもしれません。しかし、本書を読むと、李朝(1392年から1910年まで続いた朝鮮半島の王朝)の歴史が北朝鮮の独裁国家の基本になっていたり、儒教(紀元前から続く、思考や信仰の体系)の考えが韓国、北朝鮮人に浸透していることなど驚きの連続なのです。
  
例えば、儒教では「孝」をとにかく大切にするという考え方があります。これは年配者や親を特に敬わなくてはいけないという儒教で重要な考えです。それは立ち居振る舞いにも現れていて、子供が親の悪口を言うなんてことはご法度です。しかし、この基本の考えがあるため、北朝鮮で金正日を崇拝する国民のことが韓国人には理解できる(共感じゃないですよ)のだそうです。金正日のことを北朝鮮のメディアはよく「偉大なる父」と表現していますが、ここにもその考えが現れていますよね。
  
「愛国心」のすごさは儒教の考えからきているのかもしれませんね。日韓ワールドカップを覚えていますか? 韓国はベスト4に入り、試合中真っ赤に染まった韓国のスタジアムはすごいの一言でしたね。また、韓国と北朝鮮のタッグを組んだ応援もすごかった。
  
もちろん、日本人だって親を大切にということは理解できるのですが、信仰という部分において日本人はちょっと稀薄ですからね。
  
本書が出版された2007年には北朝鮮への危機感が韓国人には薄れてきているのだと書かれていますが、現在の状況をみると、またも緊張状態になっているのでしょうか、それとも紛争地だけのことで、韓国の中心部ではまだ、対岸の火事状態なのか続編として現在の韓国人から見た北朝鮮を読んでみたくなります。

本を読んでいて、しおりを付けた部分をたまにどんな内容だったか忘れる事がありますが、興味を引く文言を自分で考えてつけると、オリジナル目次になって面白いです

序文から始まり、7章立てになっています。長い歴史を振り返り、現在に至る韓国、北朝鮮を知ることのできる目次立てなので細分化された中から好きな部分を読んでも分かりやすいですい