チェーンソー男とセーラー服女子高生の、摩訶不思議な壮絶バトル『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』

■ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ／滝本竜彦／角川書店

色々なことが重なって落ち込んでいた高校2年生の山本陽介くんは、スーパーで高級霜降り和牛を万引きした帰り、下宿の裏へ続く獣道でセーラー服姿の少女と出会います。彼女はチェーンソーを持った謎の男と、夜な夜な戦っていました…。

高校1年生の絵理ちゃんが、正義の為にチェーンソー男と戦うんですけど、この戦い、夢の世界ではなく、なんと現実の世界で起こっているんです。一見普通の少女が、映画さながらのアクションで、チェーンソーを持つ謎の男とバトルします。どう考えても現実にはありえないような話なんですけど、読んでいくうちに、本当にこんなことがあってもおかしくないかもしれないなぁ…という気分になってきました。何とも不思議な魅力のある作品です。

この作品、山本くんの妄想がものすごく面白いです！ 特に、絵理ちゃんに対する妄想が(笑)。高校生の男の子って、気になる女の子と仲良くなるために、こんなこと考えるんだ…って、思わず笑ってしまいました。どれだけ蹴られても、めげずに絵理ちゃんに近づいていく山本くんが、とても健気です(笑)。自転車で戦闘場所まで送り迎えをする山本くんに、絵理ちゃんが移動手段としては便利ね、と言うシーンがあるんですけど、このページを読んだとき、ああ、男の子って本当に大変なんだなぁって、しみじみ思いました。せっかく頑張ってるんだから、せめてねぎらいの言葉くらい、かけてあげてもいいのに(笑)。

他にも、山本くんと友人の渡辺くんとの会話に大笑いしてしまったり、絵理ちゃんの悲しい境遇にしんみりしてしまったり…。先の展開が気になって、一気に読んでしまいました。

思わず笑ってしまったページ。確かに木刀でチェーンソーと戦うのは無謀ですよね(笑)

門限破りをした山本くんへの下宿のお姉さんのセリフ。いくらなんでも、ここまで決めつけなくても…(笑)

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