インストールする。眺める。もっと溺れたくなる~。現代の知の巨人が仕掛ける「本気の本網」
更新日:2012/2/3
「本を一人ぼっちにさせないために、 僕は本たちの止まり木をつくってみた」。
冒頭のこの言葉に、セイゴウ先生の 「本への本気」と「本への遊び」が凝縮されている。
本の記憶、本の息づかい、本の行方。 作り手と読み手とのドキドキするような動的関係。 すべては、本という生命へのまなざしがなせる技だ。 セイゴウ先生には、本の呼吸や遊伝子が見えるのだ。
カラー80ページに接写された在庫5万冊の装丁。 人差し指と中指の間のから顕現するセイゴウ宇宙。 必読書300冊が、無知の恥を突き付けてくる。
さらに、 佐藤 優氏、東 浩紀氏との博覧強記対談も、眺めよし。 「二重性の解読」、「仮託の読書法」、「マントラ、スートラ、タントラにみる情報量単位の流れ」、「コンテクストの外在化」「刻む」などなど、重力場から逃れられない景色を旅できる。
そして、 止まり木の本たちはリンクをたどり、 iPadの外縁へ。
電子網によって帝釈網のような相互鏡映網になった 「本気の本棚」は「本気の本網」に近づいてゆく。
自分もこんな書棚を編集してみたい。 密かに夜中一人、書棚で横置きをしてニヤニヤする。 そして今日も読む前に睡魔に溺れる。 積読棚は今日も眠る;
禁断の棚板への手書きタイトルがゾクゾクと誘惑する。私がやられたのは、自然・科学・宇宙・数学・物理の棚タイトル。「シュレーディンガーの猫からローレンツの鴨へ」
人差し指と中指で、書棚の写真をアップすると。。。自分も読んだ本が見つかる!本棚で繋がる嬉しさは、twitter的リアルより、ひそやかなのに嬉しい
チェーン・スモークならぬ、チェーン・リーディングという概念を自覚的に知ったのは初めてだ。やはり中毒なほどの熱中が、境界をまたぎ続ける源泉になる
リンクが、Share Readerのような、読書体験の縦横斜め編集という共有に繋がれば、ますます楽しくなりそう。本と出会い、本の遊伝子の行方に溺れてみたい